向谷匡史氏著書安藤組外伝『白倉康夫 殉心』発売中!

(敬天新聞 令和2年6月号 1面)


▼新型コロナウイルスが世界中に蔓延し、日本でも各地に緊急事態宣言が発令され、私たちの日常生活は大きく変わった。これまでの日常が非日常へと一転し、行動の自粛を余儀なくされる毎日に筆者は辟易していた。その一方で、これまでの自分の行動や、様々なことを見つめ直す「考える時間」が出来たのは不幸中の幸いである。また、そんな時間の一助と成ったのが、この度青志社より出版された向谷匡史氏の著書「安藤組外伝・白倉康夫『殉心』」である。

弊紙読者の皆さんに是非とも御一読いただきたい一冊です。社主白倉の行動原理がご理解頂けると思います。

参考のためネット報道で時事解説に定評のある「週刊0510」に掲載された書評を転載させて頂きます。


▼〈書評〉『殉心』向谷匡史著・青志社が描いた敬天新聞社主・白倉康夫氏の正義(週刊0510・5月2日配信記事より一部抜粋)

4月19日に上梓された『殉心』は、右翼系情報紙として、政府の調査部門、企業の総務担当者、捜査機関、マスメディアの社会部記者などで、知らぬ者のない存在となった敬天新聞・白倉康夫社主の半生記である。

サブタイトルに「安藤組外伝」とあるのは、白倉氏が安藤組元組長の安藤昇氏を信奉していたからで、敬天新聞の題字は書家としても知られる安藤氏の揮毫である。

安藤氏は、戦後闇市時代の渋谷を縄張りに、数々の抗争事件を重ねながら存在感を高め、本人はもちろん花形敬など伝説のヤクザを配下に名を売ったが、出所後の64年、組を解散して俳優になった。

白倉氏は中学2年生の時、安藤氏が主演の自伝映画『血と掟』を観て以来、その風貌と所作にあこがれる。

ただ、出会いは、上京後、国士館大学を中退、警備業、日大アメリカンフットボール部監督・篠竹幹夫氏の用心棒兼秘書、総会屋などを経た白倉氏が、敬天新聞社を立ち上げる直前だった。

憧れの人に会う緊張感は、安藤氏の懐の深さに解きほぐされ、以降、白倉氏は赤坂の安藤事務所に足繁く通い、生き方の「奥義」を学ぶ。それは例えば、次のような言葉である。

「男はメンツを売るんだ。値段は自分でつけ、ビタ一文まけちゃならない」

一方で、白倉氏には「人間社会は、すべて恐喝で成り立っている」という人生観があり、企業や宗教法人のような組織、政治家などにケンカを仕掛け、一歩も引かない。

となると、カネにものをいわせるか、ヤクザを使って封じ込めるか、警察に訴えるか。『敬天新聞』に書かれ、街宣をかけられるなど攻撃された側は、様々な手法で逃れようとする。

敬天がウン千万を取ったと噂を流され、記者が襲撃されることがあり、責任者として白倉氏が、恐喝、恐喝未遂、威力業務妨害、名誉毀損などで訴えられることは数知れず、逮捕歴も少なくない。

割に合う商売ではないが、コンプラ強化の波にもめげず恐喝と街宣を続け、各種団体が勢いを失い、暴力団も総会屋も排除されるなか、今や、日本で最も著名な「行動する右翼系情報紙」となった。

その行動原理は何か――。

安藤氏は引退前、「白木屋(後の東急デパート日本橋店)乗っ取り事件」に絡んで知己を得た横井英樹氏を配下に銃撃させたとして8年の実刑判決を受けて服役。その真相を尋ねる白倉氏に、安藤氏はこう答えたという。

「カネを持っていながら借金を踏み倒す横井が許せなかった。それを伝えると、横井はこう言った。

『すべて合法的に処理されている。キミたちの介入する余地は全然ないんだ』。それで切れた」

守るべきは「法」ではない。自分のなかの信念から来る「正義」――。それは、敬天愛人を説いた恩師の言葉と同じだった。

組織に求められるのはコンプラとガバナンスになり、逆に言えば「合法」であれば何でも許される。総会屋以上にカネに執着するヘッジファンド、なかでもアクティビストと呼ばれる「物言う株主」は、経営上の欠落や内部留保に目をつけて攻撃、自社株買いや配当を迫り、短期利益で株価を上げると売り逃げて巨利を稼ぐ。

その株主至上主義に侵された企業の株価は上がるが、労働分配率や投資比率は下げられ、企業の将来や従業員の満足度を奪う。これも株の力を背景にした「恐喝」だが、合法ゆえに許される。

そうした判断基準や備えは、白倉氏にはない。

また、暴力団をバックにすることもなければ、警察権力におもねることもなく、愚直に恐喝を続けて体を張る。

そんな「内なる正義」を大事にする白倉氏を買った安藤氏は、「俺に自伝を書かせろ」と、言って準備に入っていたものの、2015年12月16日に逝去した。享年89歳。

その遺志を継いだのが、安藤氏側近の向谷匡史氏。アウトローにも通じた作家だけに、「法」に左右されない2人のクラッシックな生き様が、うまく共鳴して描かれている。


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