セントマザー(旧アースハート)は野中邦子氏の「手かざし」商法?

【敬天新聞 令和2年10月号 1面】


霊感マルチ?

嘗て「手かざし」や「ハンドパワー」と称した施術で、「念じるだけで病気や痛みを和らげる」と騙り、エセ科学だと社会的批判を受け、被害者対策弁護団に提訴されて解散した「泰道」(後の宝珠宗宝珠会・開俊久会長」の幹部であった野中邦子氏が、独立して立ち上げた「アースハート」が、「セントマザー」に名を改めて以降、再び被害を拡大しているらしい。近頃では本部のある福岡県から東京都内に進出し、相変わらず悪徳霊感商法まがいの活動を繰り広げているという投書が弊紙に届いた。

一般社団法人セントマザー(本部・福岡市東区蒲田)の前身であるアースハートは、愛知、九州を特に中心として全国各地で「講習会に参加すれば、誰でも病気を軽減・治癒する『ハンドパワー』『マインドパワー』を習得できる」などと謳い、受講生や会員を募っていた。会員に成ると更に会員以外の別の者を勧誘させて、セミナーの受講契約を締結させていた。これを「覚醒」と称し、会員には「覚醒」をしなければ病気が治らないなどと説明し、「覚醒」と病気の治療を結び付けることによって、病気を治したいという会員の切実な思いにつけ込んで、その勧誘行為をマルチ商法的に繰り広げていたという。(参考文献・消費者法ニュース119号/西岡里恵弁護士)。

またハンドパワーで「雲を消せる」とか「ジュースの味を甘くしたり、苦くしたり変えることが出来る」という超常現象にまで言及し、会員を洗脳していた。

これらの行為は当然「泰道」と同じく問題視され、被害者からの訴えが相次いで起きた。そして、平成25年1月福岡地検特別刑事部がアースハートの野中邦子氏を含む幹部3名を約30億円の所得を隠したとして法人税法違反で逮捕し、平成27年6月アースハートに罰金1億4000万円、野中邦子氏に懲役3年(執行猶予5年)の判決が確定した。

そのアースハートの後継団体「セントマザー」が、現在は東京事務所を千代田区紀尾井町に構えて活動を広げているというのである。

この度の投書では、「セントマザーはアースハートの名称と代表者を西村泰一氏に改めることで、体裁を取り繕うために設立された団体であり、実態はアースハートの活動と何ら変わらず、実権は今でも野中邦子にある」と指摘している。

また東京事務所では井上梢氏が取り仕切り、毎週火曜日にセミナーを行っているそうである。そして相変わらず、以前から問題視されている「手かざし」を「ハンドヒーリング」と改称し、セミナーや施術を行っているそうである。そこで金銭を目的に「病気が治る」とか「身体の痛みが改善する」と説明すれば、医師法違反や詐欺罪に該当する恐れがある事は言うまでも無いが、東京事務所を指揮しているという井上氏は医師免許を持っているのだろうか? また合理的根拠を示すことが出来るのだろうか?

セントマザーのホームページでは、「ハンドヒーリングの施療」について「身体に触れることなく、様々な痛みや重みが改善することを、どうぞご自身で実感して下さい」等と掲載し宣伝していた。

しかし適格消費者支援団体「消費者支援機構福岡」から今年2月20日付書面で根拠がないと指摘され、反論することなく全て削除している。これは未だに「手かざし」で「病気が治る」と騙り、消費者の勧誘や治療行為を行っていた事の証左ではないだろうか?

 

またセントマザーには別の問題もはらんでいる。会員であり傘下と思われるジャパンオアシス?の代表である末廣修一氏とその妻が、セントマザーの実権を握る野中邦子氏を後ろ盾にして、会員に対し「水からエネルギーをつくる装置の事業」「ソーラー事業」「水洗トイレ付き車椅子の事業」などを騙って、多額の出資を募っているとか、高額な化粧品や下着等のネットワークビジネスの勧誘行為をしているというのである。

このジャパンオアシスの取締役に就いている「鳴尾道人」は、過去に弊社が被害者の証言に基づき追及していた投資詐欺の疑いが持たれていた人物である。このような投資案件やネットワークビジネスも、セントマザーの活動の一環であり、資金源に成っているということだろうか?


問題の本質

いずれにしても、投書の資料の中には、癌を患う妻が入会し、「手かざし」と野中邦子氏の話を信じたばかりに、抗がん剤治療を続けて癌を克服できる可能性を失い、病状が悪化して亡くなってしまったという夫の無念が綴られている。

弊社は、今から約24年前に「足の裏を見れば未来がわかる」といって会員を募り、巨額の資金を集めていた「法の華三法行」の代表・福永法源に対し、猛烈な糾弾活動を行ったことがある。その結果、福永法源は霊感商法に関わる詐欺罪で警視庁に逮捕され12年の実刑に処された。また東日本大震災以降、雑誌広告の開運グッズの購入者に無料電話相談を持ち掛け、生活者が抱える様々な不安につけ込み「呪われている」などと煽って祈祷を施し高額請求を行っていた詐欺「開運商法」が蔓延った際も、糾弾活動を全国展開し、多く点在していた悪徳開運業者を摘発・壊滅させたことがある。

セントマザーの活動を見る限り、人の弱みや信仰心につけ込んだ法の華三法行・福永法源や開運商法と似通っていると思えて成らない。

また投書にある問題の本質が、病気で苦しむ人達の適切な治療と回復の機会を奪いかねないものであり、極めて深刻である。

このような、ことあるごとに名称を変え、代表をすげ替え、性懲りも無く活動を続ける怪しい団体を、主務官庁や捜査当局は断じて許してはならない。弊紙は徹底追及していく所存である。


(適格消費者団体の申入書↑クリックで詳細を表示)

   

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