セントマザー野中邦子教祖様のパワハラ疑惑と懲りない錬金術

【敬天新聞 令和2年11月号 2面】


表の顔と裏の顔

一般社団法人セントマザー(西村泰一代表・福岡市東区蒲田5‐7‐30)の教祖的存在である野中邦子氏が、手をかざしただけで病気が治せると騙り、病に苦しむ人達の弱みにつけ込み、多額の施術費やセミナーなどで会員を募り、尚且つ悪質なマルチ商法を展開し、不当な資金を集めているとの投書が届いたことを先月号で報じた。

野中氏は過去に「アースハート」という団体を創設し活動していたが逮捕されている。その後アースハートの後継団体として出来たのがセントマザーである。アースハートは、福岡を中心に「講習会に参加すれば、誰でも病気を軽減・治癒する『マインドパワー』を習得できる」などと謳い、受講生や会員を募っていた。会員に成ると更に会員以外の別の者を勧誘させて、70万円もするセミナーの受講契約を締結させていた。これを「覚醒」と称し、会員には「覚醒」をしなければ病気が治らないなどと説明し、「覚醒」と病気の治療を結び付けることによって、病気を治したいという会員の切実な思いにつけ込んで、その勧誘行為を拡げていた。

野中氏は、そのパワーで「雲を消せる」とか「ジュースの味を甘くしたり、苦くしたり変えることが出来る」という超常現象にまで言及し、セミナーに集まった会員達を洗脳していた。

しかし、会員の中には癌などの重病を患う人もいて、野中氏を信じたばかりに、適切な医療を受けることを止めて亡くなってしまった人もいたそうだ。やがて各地で被害者の声が高まりを見せる中、平成25年1月福岡地検がアースハートの野中邦子氏を含む幹部3名を約30億円の所得を隠したとして逮捕(法人税法違反)した。野中氏は一審判決で5年の懲役刑を言い渡されたが控訴して、平成27年6月に懲役3年、執行猶予5年の刑が確定した。執行猶予となったのはアースハートと野中氏が、それぞれ2千万円の「贖罪寄付」をしたからだという。その執行猶予が今年6月17日に切れて、セントマザーを陰で牛耳り再び活発化させているというのだ。

九州地方では消費者センターや被害者対策弁護団からの追及が厳しくなったせいなのか、近頃は東京に進出し、関東エリアでの会員獲得を計っているようだ。毎週火曜日にセミナーを開催しているという東京施術所(千代田区紀尾井町3‐30山本ビル5F))では、井上梢氏を所長に据えて「手かざし」を習得している会員が属する「つくしの会」のメンバーが活動を展開しているそうだ。

そのメンバーの中でも湯浅雅史氏が頭角を現わしているという。弊紙に寄せられた投書の中には湯浅氏に騙されて多額の入会金を請求されたという被害者の手紙もあった。湯浅氏は「私はセントマザーの最高責任者になる」と豪語していたそうだ。

余談であるが、この湯浅氏は「NPO法人キャップの貯金箱推進ネットワーク」の幹部役員でもあるそうだ。この法人はペットボトルの蓋を集めて、回収業者に売って得たお金で途上国の子供達にワクチンなどの医療支援をする慈善活動を行っている。また、さいたま市で障害者就労支援施設「キャップの貯金箱」を運営している。

ところが、この施設では職員が知的障害者を丸裸にして虐待する事件を起こし、尚且つ虐待を県に内部告発した女性職員に対し、損害賠償請求訴訟を起こすなどの報復を行い鬱病を発症させるなどした為、すごぶる評判の悪さである。

虐待といえば、野中邦子氏も著書や講演での慈悲深い表の顔とは裏腹に結構暴力的な人物であるようだ。野中氏は、セントマザーの職員を自宅の家政婦として住み込みで雇うらしいが、パワハラ常習者らしい。

例えば車の後部座席から暴言、後頭部への打撃があるかと思えば、風呂場で裸のまま説教するとか、暴言・暴行が日常的にあるという。

また精神的に恐怖心や屈辱感を植え付けて服従させる為なのか、特に自分より育ちの良い職員には厳しくあたり、歳の若い者に指導をさせて屈辱を与えるそうだ。後部座席から怒鳴っている光景を想像すると、「この禿げ〜」と秘書に怒鳴って話題となった豊田元議員を思い出すなぁ。



カモる末廣夫妻

それからセントマザーに野中氏を信じて集まる会員たちをターゲットに、ジャパン・オアシス株式会社の末廣修一代表夫妻が怪しい投資話で金を集めているという情報もある。そのジャパン・オアシスも野中氏が陰で実権を握っているそうで、集会で多くの会員を前にして自ら末廣夫妻とジャパン・オアシスを素晴らしいものだと持ち上げて紹介しているそうだ。教祖的な存在の野中氏が信者に勧めれば、その効果は抜群だろう。

ジャパン・オアシスの「JOプレミアム会員申込書」には、会員登録金100万円(一口)を預けると毎月2万円の会員手当(配当金)が2年間貰えるうえ、2年後に100万円を返還するという元金保証を謳っている。700万円のプレミアム会員は毎月14万円が貰える。

これって金融庁の届出とか大丈夫かな? 元金保証を謳って多額の現金を集めているけど当局に叱られない? まさか金を出した会員に金銭消費貸借契約をさせたりしてないよね? アレ? 何だか稀代の詐欺師?競球・山本一郎氏の会員申込書にも似ているよ。

また、末廣修一氏が集金した金は、還流して野中氏に渡っているらしいが、税務署に隠さず申告しているのかな? なんせ野中邦子教祖様はアースハート時代に30億の所得隠しの「前」があるからね〜。

以前にも増してセントマザーの会員に対する野中氏の影響力は絶大で、野中氏が集会に参加すれば、会員のモチベーションが高まり、会員が新たな会員を生む(勧誘する)というマルチ商法的に広がっていく状況にあるそうだ。

このジャパン・オアシスの取締役に就いていた人物も、過去に弊紙が追及していた投資詐欺で疑いが持たれている曰くつきの人物である。前出の湯浅雅史氏も然り、類は友を呼ぶということか?

そういえば、野中邦子氏は会員のカリスマ的存在となり調子に乗ったのか、自身が歌う懐メロCDや息子である野中大悟氏の音楽CDまで会員に売っていたそうだから、その自意識の程はテキシアジャパンの銅子正人会長(詐欺で逮捕済み)やワールドメイトの深見東洲教祖様(調査中)に準ずる類かな?

何れにせよ、病弱な人や精神的に弱ってる人に、マインドパワーとか、ハンドヒーリングとか言って、さらに精神的に追い込んで金を集めるビジネスは良くないね。尤も、その能力をネタにした金集めも消費者センターに苦情や被害相談が相次いでおり、今年2月20 日には福岡市の適格消費者団体がセントマザーに対し、「セミナーの受講には痛みや重みを改善したり、病気を治癒する効果はありません」と断じ、消費者が誤認する文言をホームページから削除するよう求めている。これに止まらず被害が広がらないように、監督官庁や警察並びに国税当局には、厳しい対処を講じるよう弊紙は求めていく。

 

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