敬天新聞3月号 社主の独り言(甘口)

(敬天新聞 令和3年3月号 4面)



▼オヤジギャグを言って受けるのが生きがいという高齢者は意外と多い。性格は明るくて人がいい人が多い。とにかくお喋りで、何かしゃべる度に一度はオヤジギャグを言わないと、気が済まない。それが受けることが至福の喜びのようである。

そういう人の特徴は、場面を考えずにダジャレやオヤジギャグを連発することである。真面目な仕事の話している時でも、葬式のような場面でも、普段の習慣でつい口から先に出てしまうのである。とにかく黙ってることができない。そういう習慣が身についてしまっているのである。

森オリンピック組織委員会元会長も、おそらくそんなサービス精神旺盛な人なのだろう。しかも森さんの場合は、元総理であり最長総理を務めた安倍さんの後見人みたいな立場でもあったので、誰も意見を言えない立場。多分会議になれば、独壇場で話をするだけで、そこにオヤジギャグやダジャレが入れば、みんなに大受けしてたのであろう、愛想笑いも含めて。

委員に選ばれた人も各界の代表だろうし、名誉もあれば実益もある。やはり政界、財界、官界に顔が利いて、尚且つ知名度のある人でないと、「飾り」にもならない。そうすれば、その役職を熟せる人は限られてくる。森さんや麻生さんの舌禍は昔から有名だったから、早かれ遅かれこういう最後は想像がついた。しかし、打てば響く単純さも森会長の特徴でもある。ただ、老人の経験や知恵と言うのを、若者に教える重要さはある。

しかし、価値観と言うのも、時代と共に変わるし、若者と老人とでは大きく違う。そこを老人は理解し、未練や無念さはさはあっても、世間に老害と言われるような歳になったら、やはり自ら一線を退くべきである。特に公の仕事についている人は尚更である。

世界のスポーツの祭典であるオリンピックの「今回の主催者の裏部隊の代表」を務めてるという自覚が足りなかったのであろう。

森さんが一番の功労者と言われたラグビーの世界大会大成功が、余計に本人を天狗にしたのかもしれない。自分の言葉に皆が従うような場での発言が、全ての人の前では通らないというのが、当たり前であるわけだから、批判が起こった国民の前で自分の信念を語れば語るほど、矛盾が生じ反論に打ちのめされることになることに気付くべきだった。

今の世界のコロナ禍の中で、東京五輪が開催できるかどうかは未知数であるが、有るのか無いのかの発表まで続投することを宣言し、「開催決定」が発表されたら、潔く辞任して若者に譲れば良かったかもしれない。 会長職というのは、スポーツの祭典という綺麗ごとの裏側で、どす黒く渦巻く利権の配分や企業からの金集めが、重要な仕事の役目で、とてもオリンピアンやアスリートが熟せるような役職じゃない。

もう殆ど裏仕事は終わったろうから、海外から見ても見てくれの良い、英語を喋れる四十代、五十代ぐらいの知名度のある人であれば誰でもいいのではないか。

森さんには後ろ髪引かれる思いは多分にあろうが、ここは潔く退いて、オリンピック開催までの森さんしか知らない、森さんしか言えない裏話を披露して頂きたい、と願うものである。



▼コロナワクチンについて素人の意見を言ってみたい。いま国民の意見は早くワクチンを打ちたいと言う人と、暫らく様子を見てからにしたいと言う人と、わからないと言う人に、別れているそうで、4対4対2ぐらいの割合だそうである。

いかにも日本的な数字である。いかにもと書いたのは、日本人は横並びが好きで、隣近所の考えに合わせるのが無難でいいと言う考え方で、先に意見を言ったり、突出した考えを言うのを控える国民である。

正論かどうかは別にして、人前でしかも先に意見を言う人は、どちらかと言えば批判され嫌われる傾向がある。特に地方ではこういう傾向は強い。後出しじゃんけんが得意なのである。

昔からヨーロッパ列強という言葉が使われるが、今回のコロナに対する対策にしても、独自の対策を実行している。ロックダウンの強烈さを見ても分かるが、国の対応が強引である。あれだけ資本主義の行き届いた自由の国というイメージがあるが、いざという時の「覚悟」が国も国民も理解しているのか、動きが速い。

対して日本は、島国という流通の遮断が簡単なせいなのか、国も国民も他国を見ながらの判断である。国も、国民からの批判を恐れるのか、とにかく強い指導を嫌がる。とにかく後手後手である。こういう時は、野党の方が楽である。自分たちは正解の政策は持っていないが、とにかく与党の批判ばかりしていればいい。建設的な意見を言うのではなく、上げ足を取って一部の人の不満をぶつけるだけのような質問である。

今こそ建設的な意見を出して、与党も野党も関係なく一致団結して国難を乗り切るべきであるが、自分たちの生活は保障されてるから、庶民の痛みがわからないのだろう。

しかし責任は、圧倒的に野党より与党にあるだろう。批判されようが、貶(けな)されようが、国民生活をリードする役目を負っているわけだから、野党や国民に向かって怒っても仕方がない。

リーダーたる役目を負えないのであれば、自ら役職や立場を辞任すればいい。

それにしてもヨーロッパの国々は逞しい。感染者や死亡者が多いから必死さもあるだろうが、歴史的遺伝なのだろう。

イギリスの海賊ぶりはダントツであるが、スペイン、オランダ等が南米やアフリカ、アジアに多くの植民地を持っていたことや、未だにそういう国の公用語に支配国だった国の言葉が使われているのを見ても、その実力がわかる。

イギリスはEUから独立したと思いきや、経済での損失、不便さを補うために早速、TPPへの加入を申し入れてきた。大西洋から太平洋への経済交流である。それも礼儀正しく、きちんとTPPのルールに乗っ取ってである。これは歓迎すべきである。

TPPにはいずれ中国が必ず参加を申し込んでくる。アジアの国々では、4000年の歴史の中国には太刀打ちできないのである。小さくとも覚悟と勇気を持つ古代ローマやギリシャの遺伝が必要である。

ということで、見えない敵コロナには、打たないより打った方が確実に効くワクチンであるなら、「強制的に打つしかない」という方針を政府が執るべきであろう。 様子を見るべき時期は過ぎたと思う。



▼「最近の独り言は老人力のある記事が多いですねー」とよく言われる。丸みがあって深みのある暖かい記事が多いって意味かな? 

それともワンパターンな昔見たことのある内容記事が多いですと言うことを暗に優しく伝えてるのかなー、とか思ってしまう。

歳と共に身も心も老人力が身に着くのは仕方がない。こないだまで、何となく若者の気持ちも理解できていたような感じだったが、最近は全く理解できなくなった。

何となく森喜朗氏の気持ちがわかる。どうしても自分が経験してきた価値観が正しいと思い込むのが一般的な歳の取り方である。

特に人生の勝ち組を生きた人に、その傾向は強い。それはそうである。一応自分の生き方で生きて成功を収めたわけだから、間違ってなかったという自負が他人より強いのは仕方がない。

筆者は凡人だから頭の中は全て老人気質に変わってしまった。特に独り言を書くときは、その特徴が顕著である。

読者も老人という認識があるのと、堅苦しいことは避けようという意識が余計に働いてしまうのである。

爺婆健康ランドで、爺婆の生態を研究してるので、その発表の場にもなっているから、余計に記事の中に老人臭が漂うのであろう。

しかし若ぶったところで、寄る年波には勝てないわけだから、自然体で行くしかないのである。最近、インフルエンサー、という言葉をよく聞くようになった。誰も説明してくれないから英語辞典で引こうと思ったが、先ず単語の綴りがわからない。

ローマ字でなら書けるが、ローマ字でも、「ラリルレロ」だったらRかLのどちらかわからないし、「フ」だったらHかFのどちらかわからない。

そこで、勝手に解釈していたのが、「インフルエンサーとは、風邪のインフルエンザになった人」とばかり思っていた。多分年配者の中には私と同じような考えの人は多いのではないか。表現者とか発信者とかする人を言うらしい。それじゃ私もインフルエンサー?

ところで、ローマ字って、あのイタリアのローマの言葉なの? ローマ字が世界の共通語だったら、日本人に取っては、分かり易くていいねー。でもどう考えても、読み方は日本語だよなー。あ〜恥ずかしい。穴があったら入りたい、あの人の。

プッと吹き出した時に、下の後ろの方から同じく「プッ」と音が出て、前の方からも「ジョッ」と漏れた。そんな気がした。

隣にいたのが身も心も婆さんだったからよかったものの、もし隣にいたのがジュディ・オングさんのような綺麗な人で、「あなた今吹き出した瞬間に、下でもプッと出して、前からもジョッと漏らしたでしょう。私はあなたの下の世話をするために一緒になったんじゃないのよ。だいたい年金の月7万円でどうやって暮らしていくのよ!」と叱られたら、自分の不甲斐なさに下を向くしかない。

しかし、同じセリフを皺くちゃの老婆に言われたら、「歳をとって、あっちこっちが緩んでくるのは当たり前だろう。パンツのゴムだって、長く履けば緩くなって落ちて来るんだよ。田舎では5万円で生活してる人もいるんだよ。2万円を積み立てろ」と言える(かもしれない)。

しかし、ジュディ・オングさんのような、とても綺麗なお婆さんに、「あなた2万円づつ毎月貯めても1年で24万円しか貯まらないのよ。それに貴方はあと10年しか生きないの。私はそれから10年は生きるのよ。第一老後にいくら必要か知ってるの? 2000万円は必要なのよ。漏らしながらも働いて」と言われたら、それも尤もな話だから、何も返す言葉がない。

と言うことは、年老いたら、やはり何でも言い合える熟熟老婆の方がいいね。

奥さんに内緒で若い肌を求めて不要不急の外出をしている貴方、歳に見合った御分別を。


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