浅井健二が三鷹駅前の地上げで ライバルに送った牛の生首の話

(敬天新聞 令和3年5月号 2面)


地上げ仕事師

週刊誌フライデーは2001年9月28日号で「ギョッ牛の生首が大地主代理人に宅配された!」というタイトルで、生血の滴る「牛の生首」の写真を掲載した。

この記事は、JR三鷹駅北口の超一等地に三千坪もの広大な土地を所有する地主T氏が、乗っ取りグループから目をつけられていたことから、会社役員I氏に相談し、そのI氏が仕事仲間のS氏と共に対策に講じていたところ、I氏とS氏双方の自宅に嫌がらせで牛の生首が送られてきたことを報じていた。

同誌の取材に、I氏は「不動産トラブルにかかわっていることから、手を引かせようと、対立している関係者が仕組んだ」ことや、「家族全員がショックで震えあがり、数日間食事が喉を通らなかった」と語っていた。

当時の記事は、名前が全て伏せられている。ところが近年、牛の生首を送った張本人であるという元・山口組直系天野組組長の天野洋志穂氏が、武闘派で名を轟かせていた現役時代に浅井健二氏から多額の報酬を約束されて依頼されたことを明かし、真相が白日の下に晒されたのである。

紙面下のチャート図は、三鷹駅前の大地主の土地を巡り、地上げに参入した企業・個人の名前と金の流れを記したものである。時系列が前後しているので分かりにくいが、この著名な人物群を相手に地上げに参入するのだから、生半可な覚悟では戦えまい。

このチャート図から見ると、「双海通商」が浅井健二氏、フライデー記事の地主T氏が田辺家で、牛の生首を送りつけられたI氏とS氏は、石原利博氏と佐野光臣氏ということになる。しかし二人には、山口組、住吉会、九州の福博連合がバックについてる構図になっている。そんな二人の自宅に牛の生首が送られているのである。


浅井健二氏


いくらなんでも浅井健二氏の独断でやれるわけがない。暴力には暴力で対抗という、暴力団特有の仕事であろう。たまたま今、文春オンラインで「日本のヤクザの100の生き様。ヤクザが請け負う汚れた仕事」(別冊宝島編集部)という特集をやっている。この中で「大金の報酬を目当てに、立ち退きに協力しない者に対して、動物の死骸を家に送り付けたり、糞尿を撒いたり、ダンプカーで突っ込んだりして、無理やり追い出すのが流行っていた」と書いてあった。正しく浅井健二氏が組長だった天野洋志穂氏に頼んだのは、こういうお仕事である。今では約束した報酬の支払いを巡ってトラブルになっているそうだけど、「地上げ仕事師」としては、流行の先端を走っていたことになる。

当時は、浅井氏自身が「自分の後ろには天野組長が付いている」と周囲に公言していたらしい。また、天野組長に頼んで牛の生首を送らせたことは既に報じられ周知の事である。

天野氏はもうヤクザを辞めて十年以上経つらしい。「散々人をこき使っておいて、約束した報酬も払わない。卑怯な奴だ。このままでは死んでも死にきれない」というのが、天野氏の言い分のようである。

ただ、この天野氏の御子息が浅井健二氏の運転手をしているそうだから、これまた複雑な事情があるようだ。弁護士とか警察OBとか立ち合いの下に、よく話し合えば解決に至ると思うけど、そんな簡単な拗れ話ではないのかな?


S氏に届いた牛の生首 フラーデー2001.9.28号より


話題尽きぬビル

ところで偶然ではあるが東京オリンピックの空手女子代表である植草歩選手にパワハラで訴えられた香川政夫前選手強化委員長が、首席師範をしている「日本空手松涛連盟」もテアトルアカデミー本社と同じビルの中にある。

この日本空手松涛連盟の初代首席師範は、浅井健二氏の兄である故浅井哲彦氏であり、同連盟の名誉会長を参議院議長の山東昭子先生(自民)、会長を衆議院議員の村上 誠一郎先生(自民)が務めている。また山東昭子先生が理事長をしている「かけはし芸術文化振興財団」も同じビルに在るそうだ。

四月の初めには、石原プロダクションの社長であった渡哲也さんの遺志を受け継いで、舘ひろしさんが「舘プロ」を立ち上げたが、この舘プロ事務所も同じビルで、テアトル本社の一角に構えたそうである。よくも悪くも、何かと話題の尽きないビルである。

その舘プロの社長を浅井健二氏の息子である浅井武士氏が引き受けたそうである。映画を作るには金がかかるので、社長と言うよりスポンサーという意味合いが強いのかもしれない。

そうであるなら石原裕次郎さんや渡哲也さんの苦労を見てきた舘ひろしさんの賢い選択とも言える。

当分は、あくまでも一俳優として活動し、いずれは「映画作りに情熱を注ぎ、石原裕次郎さん、渡哲也さん、石原プロの名物専務であった小林正彦さんの夢の灯を守りたい」ということらしい。是非とも夢を叶えて成功して欲しい。

ただ一つだけ残念でがっかりなのは、この舘プロの社長が浅井武士氏だということだ。浅井武士氏にがっかりしたのではない。浅井武士氏の父である健二氏があまりに汚い手口で財を成した人物だからである。

浅井健二氏は近しい者には、「天野氏には十分な報酬は払った」と言っているらしい。「十分な報酬は払った」と言うことは、地上げで牛の生首を送らせたこと自体は認めているということであろう。

日本一の子役養成所のオーナーとして恥ずべき事である。このままでは親御さんにも顔向けできまい。


三鷹駅前地上げ・チャート図 (↑拡大クリック)


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