熱海土石流問題で慌てる(株)ベガの濱野氏 鹿児島の山中に埋めた産廃を遂に撤去

(敬天新聞 令和3年8月号 2面)


熱海災害の余波

7月3日梅雨前線に伴う大雨によって、静岡県熱海市伊豆山で大規模な土砂崩れが発生した。下流に位置する熱海の住宅が土石流にのみ込まれ、多くの死傷者を出す大惨事と成った。水分を含んだ大量の土砂が、救助隊や重機の行く手を阻み、行方不明者の捜索と復旧作業が難航している。

その後の調査により、土石流の起点となった斜面で施工されていた「盛り土」が原因であり、その開発を巡っては基準から逸脱した作業が行われていたことや、廃棄物が投棄されていた事実が発覚している。また近くで大規模な太陽光発電事業(メガソーラー)が行われていた事にも、疑惑の目が向けられている。

この大規模土石流問題を受け、赤羽一嘉国土交通大臣は7月6日に開いた閣議後の記者会見で、建設残土などによる盛り土の安全性の総点検を検討する必要があるとの考えを示した。「今回の盛り土と同様の箇所があるのかないのか、農林水産、環境など関係省庁と、全国の総点検をする方向で考えないといけない」と述べたのである。

そんな折、弊紙が3年がかりで追いかけて来た(株)ベガ=VEGA(福岡市早良区)の濱野隆一郎氏が、鹿児島県志布志市の山中へ不法投棄していたゴミの撤去を、突如開始したとの情報が入った。


甚大な被害を齎した熱海の土石流で盛り土の不正が発覚


濱野氏の責任

この問題は、化粧品や健康食品をマルチ商法で販売し急成長しているという(株)ベガの子会社で、産業廃棄物処理業をしていた(株)北斗が、石膏ボードなど約8000立米もの産廃ゴミを鹿児島県志布志市の山中に不法廃棄していたことが発覚し、鹿児島県から措置命令(行政処分・平成29年2月22日付)が出ているのに撤去しなかったことや、当時の部下に責任の全てを被せ逮捕を免れた事に端を発して、弊紙が何度も追及してきたものである。

鹿児島県は措置命令を行った理由について、不法投棄したゴミが主に廃石膏ボードであることから、近隣住民に及ぼし兼ねない影響として、「硫化水素発生の恐れ及び廃石膏ボードの飛散・流出の恐れにより、生活環境の保全上支障が生じる」と断じ、重大な環境汚染に繋がるおそれを警告している。

それなのに、この県が出した措置命令で処分対象と成っているベガの元会長であり北斗の取締役でもあった濱野隆一郎氏は、ベガの総務部長であり北斗の代表取締役であった薙野宇(なぎのたかし)氏と共に、審査庁(法務省行政不服審査)に対して、県の措置命令に対する不服を申立て、抵抗していたのである。

その審査庁(本件担当は環境大臣)は厳正なる審査を行い、濱野氏らの不服に対しても、全面却下の判断を下している。それでも尚、一向に撤去しようとしなかったのである。近頃では、コロナ禍に乗じた言い訳をして、ズルズルと引き延ばしていたそうである。

ところが熱海の土石流災害が起こり、しかもその要因が「発生源地のゴミの埋め立てによる人災である」ということをマスコミが騒ぎ出した。また、国交大臣の言葉通りに、関係省庁が全国の盛り土やゴミ投棄などの調査を通達して、行政が動き出したのか、撤去を渋っていたベガの濱野氏も、取り敢えず7月15日に急遽第一弾として志布志市の山中から一部の産廃ゴミを撤去することにしたようである。この事は7月18日に以前から問題視していた「京都政経調査会」が詳しくネット配信している。


7/18(株)北斗の産廃撤去を報じた京都政経調査会HPより


悪質業者に厳罰を

これまで、不法投棄した当事者やゴミ屋敷の家主などが、行政に通告を受けてもゴミの撤去に応じなかったり、時間の経過で責任の所在を明確にすることが出来ず、多額の撤去費用を掛けて行政が片付けるところを時折テレビの報道で目にすることがあった。

しかし行政の撤去費用の原資は血税であることを我々も忘れてはならない。

熱海のように山奥で行われる開発で、ドサクサ紛れに行われる不正行為は、恐らく氷山の一角であり、全国で同じようなことが、それこそ数えきれないほど行われているのではないか。

理由は大きな利益が絡むからに他ならない。しかしその代償は、無関係の人々の健康被害や命や家屋を奪う事に成りかねない。

この際、二度と悲劇を生じさせぬよう、国及び各地の行政機関は、調査・監督を徹底して行い、違反者にはより重い罰を科すよう法・条例の整備を進めていただきたいものである。

弊紙では、読者からベガの濱野氏が産廃ゴミの一部を最初だけ処理して、後は誤魔化そうとしているのではないか? との御一報もいただいている。それは志布志市に投棄した産廃ゴミの撤去完了には一年以上かかるそうだからである。

だから最後まで一つ残らず産廃ゴミを撤去するまで、行政はしっかりと監視すべきである。そして途中で撤去を止めるようなことがあれば、問答無用で厳しい罰則を科すか、或いはベガは太陽光発電事業に参入しているというから、環境事業の一環でもある太陽光発電に相応しくない業者であると全国に公表し、事業の継続を認めないなど効果のある措置を講じていただきたいものである。


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