青少年の育成に悪影響を及ぼす 後を絶たない詐欺を厳罰化せよ!

(敬天新聞 令和3年8月号 3面)


悪知恵の極み

人工知能(AI)を使った仮想通貨(暗号資産)の取引で高額の配当が得られると謳い、金を騙し取ったとして、「ОZ(オズ)プロジェクト)を運営する詐欺師の男らが逮捕された。少なくとも全国の約2万人から約65億円を集めていたという。

ОZプロジェクトは、AIを導入したトレードシステムを利用し「自動で取引」、「月利60%以上の利率を実現する」とか、「元本保証」、「4カ月で2.5倍になる」等と説明。「勧誘役」がセミナーや説明会を開き、出資者らによる専用のLINEグループを作成させ、出資を呼び掛けていた。出資した人が自分の知人や友人を誘うマルチ商法のやり方で、被害が拡大したそうである。

時流に合わせた幾つものアイテムを絡め、出資者をひき付け詐欺を形成する、悪知恵の極みである。

ところで逮捕されたのは、石田祥司、山下幸弘、橋谷田拓也、戸島正道の4容疑者であるが、この中の橋谷田容疑者と格闘技イベントRIZIN(ライジン)の関係を週刊新潮(7月21日号)が詳しく報じている。

その記事によるとОZプロジェクトが協賛を試みたが、仮想通貨業者なので中継するフジテレビの規定に抵触したため、人気選手とのスポンサー契約に止めたようである。また元プロレスラーの高田延彦氏が主宰する体育教室への協賛にも乗り出していたという。

投資詐欺が国会議員や著名人に近付き宣伝に利用するのが近ごろ定番に成っている。

だが弊紙には、フジテレビが規定に抵触すると言いながら、グレーな距離を保って、RIZINや高田氏の資金繰りに橋谷田容疑者が関わていることには目を背けていたという声が寄せられている。「フジテレビは去年の暮れのイベントから、半グレなどの観客が多いのを気づいてない筈がないのでは?」というのである。


詐欺で逮捕された橋谷田容疑者と高田延彦氏


詐欺に甘い判決

ОZプロジェクトは約65億円を集めていたというが実際の被害額は一桁多いかも? という声もある。

これより先に巨額詐欺で逮捕されいるテキシアジャパンは約150億も集めたのに、詐欺罪で起訴されたのは主犯格の銅子被告だけだった。しかも起訴額は1億円である。150億円集めたのが判っているなら、150億円の被害として起訴してもいいと思うが、何故ゆえ1億円の起訴なのか?

全く理解できない。

この判例から言えば、「ОZプロジェクト」の詐欺も起訴額は1億円或いはそれ以下になるのだろうか?

とにかく日本の司法では、詐欺は間違いなく、「やり得な犯罪」である。こんな罰則では、未来を担う青少年達に誤ったメッセージとして伝わり、真面目に働くことを馬鹿馬鹿しいと考える若者がこれからも増え続けるのではないか。現に学生や公務員に至るまで、真っ当な生活を送っていた筈の若い世代が詐欺に加担し、逮捕される事件が後を絶たない。

昔は日本も道徳教育がしっかりしていたから、詐欺をする卑劣さ、恥ずかしさが国民に隅々まで行き渡っていたから、一握りの専門の詐欺犯罪者しかいなかった。しかも捕まれば、村八分に合うほど忌み嫌われていたから、今の罰則ぐらいでも十分に機能を果たしていただろう。

ところが時代は流れて、個人の自由、人権の尊重を強調するあまり、注意、指導、教えと言うのが緩くなり、詐欺にまで寛大になってしまっているようだ。


RIZIN榊原社長、橋谷田容疑者、ボイス、高田氏


綱紀粛正せよ

嘗て、有名なオレオレ詐欺の元リーダーが、高齢者が爪に火を点すように我慢して貯め込んだ預金を騙し取る理由について「タンスに眠っているお金を世の中に流通させて景気をよくする」という詭弁を、著書で語っていたことがあった。

詐欺の罰則が軽いことに加え、国会議員や著名人が、「知らなかった」とは言え、広告塔に成って客寄せパンダに成っていたという事例を見ると、まるで「景気をよくする」という部分では政府の考えと一致してるとばかりに、わざと詐欺罪の罰則を軽くしてるのではないかと疑わしく思えてくるのである。

そう疑う根拠はある。詐欺の広告塔になってる政治家が余りに多いのである。 それも殆どが政権を持ってる自民党である。「利権の共有」である。全ての認可は行政が持っているが、その行政の生殺与奪権を握っているのが、与党議員ということになる。

与党議員は、こういう企業に協力することによって、献金と票を貰うのである。中には値上がり確実な株式を貰う議員もいる。

過去にはリクルート事件と言うのが有名であったが、最近もデジタル改革担当相の平井卓也氏が「14株を購入し、それが株式分割で8400株となった」という話があった。利益を申告もせずにいた。「不注意だった」と釈明したが、果たして国民に理解を得られるのだろうか。

広告塔を請け負っている時は、見え透いたような嘘まで言って、その会社とオーナーとの関係を強調し持ち上げるくせに、事件になると「内容は全く知らなかった」と言い訳する者が余りに多い。特に現職議員には綱紀粛正を求める。


橋谷田容疑者、堀口選手、高田氏


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