説明責任を果たさぬ無責任な姿こそが日大事件の本質だ

(敬天新聞 令和3年10月号 1面)


暗黒の日大に光

無責任な姿こそが日大事件の本質である。田中英寿理事長は特捜の取り調べに対して「俺は全く関係ない。知らない」と言って、金が抜かれていることを否認しているそうである。

確かに表向きはそうであろう。そういう風に言わなければ一蓮托生で逮捕されてしまう。井ノ口忠男理事が事業部に携わるようになってから、日大はトラブル続きだった。


幾多の難局を凌いできた日大のドン!田中英寿理事長


昔から利権に関する話には多少のトラブルはある。特に日大の場合は学生が多く営業範囲が大きいので、色んな業種がビジネスになることで、ОBを中心に競争が激しいのである。その分、権限を持つ理事長への売り込みは激しい。だから、井ノ口理事の行為が初めての出来事ということでもない。

ただ井ノ口理事になってからは、各学部の判断で任されていた事業の範囲を、本部直轄にするために新たに「株式会社日本大学事業部」を作り、しかもそれまで外部の人間であった(と言っても、ОBの一人ではある)にも拘わらず突然事業部の責任者として(優子夫人の推薦で)田中理事長が任命するのである。

名目上の責任者としては理事を据えられていたが、責任も発言もなく内容も知らない本当の飾りである。

しかしそれでも一応給料は出ている。何故井ノ口忠男理事なのか。何故井ノ口忠男理事しかダメなのか。しかも井ノ口忠男理事は、事業部責任者になる前に田中理事長に対して探偵社を使って行動確認(尾行)した過去もある人間だった。

探偵社からの調査書も弊紙のブログには掲載しているから本人も分かっている筈である。それなのに責任者に据えた意味がわからない。

田中理事長は理事会でも「金は貰ってないから、説明する必要もない」と否定したそうだけど、自分のことを否定するのはともかく、井ノ口理事を事業部責任者に任命したのは田中理事長自身ではないか。

しかも井ノ口理事はアメフト危険タックル問題が起きた時、加害者選手の親子に「嘘の証言をするよう」求め、「それをしないなら日大をあげて潰しに行く」と、恫喝した本人である。

当時は一見学校側の為にやったような行為にも見えたかもしれないが、結果は全てがバレ、アメフト協会からも、日大が依頼した第三者委員会からも、悪質な行為と認定された筈である。その結果本人は辞表を出し理事職を辞任した筈である。

それにも拘らず、いつの間にか復職させていた結果、今回の事件である。「俺は知らない、関係ない」と言う前に、先ずは再任命した動機を教職員に説明し、世間を騒がせたことを謝罪すべきであろう。


かつて日大アメフト部で主将だった井ノ口忠男氏


巨悪は眠らせない

また、今回は日大本部、事業部、板橋病院、理事長自宅、井ノ口理事の実家、東京自宅、関連医療設計事務所などにまで、家宅捜索を受けているのだから、説明責任は当然あるだろう。

今回もまた一切表に出ない風化作戦で乗り切る腹積もりだろうが、流石に特捜はそれはさせないだろう。今は大学が経営する板橋病院に入院して時の経過を待ってるようであるが、過去にそのスタイルで多くの難問題を有耶無耶にしてきた実績があるのも事実であるが、世の中が確実に変わって来ている。

何とか無事に終わった東京オリンピックでも、旧態依然のオリンピックではなかった。みんなが平等に声をあげるジェンダー時代になったのである。長期政権や独裁政権に対してもノーという声をあげる時代になってきているのである。

周りにイエスマンやヨイショマンしか置いていない田中理事長だけが時代に乗り遅れていることを知らないだけである。

一昨年、昨年と国税や公正取引委員会が本部や事業部に査察に入ったものの決定的な証拠がなかったのか、結果は出なかった。

しかし、確実に引き継がれていたのだろう。「巨悪は眠らせない」という特捜の姿勢に多くの日大マンが拍手を送っている筈である。


(中央)田中理事長と優子夫人の後(左)錦秀会CEO薮本雅巳氏、井ノ口忠男氏


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