敬天新聞10月号 社主の独り言(辛口)

(敬天新聞 令和3年10月号 4面)


自民党の喫緊の課題は国民との対話力だ!
民心と乖離・驕り・自惚れ・説明力を正せ



▼菅総理の退任を受けて新しい自民党の総裁に向けて岸田文雄氏、河野太郎氏、高市早苗氏、野田聖子氏の四人が立候補したその実力の程は知らない。ただどの氏がなっても、菅総理よりかは説明力があるだろうとは、感じる。

この号が出る頃にはこの中の誰かが総理になっているのは間違いない。またこの時点で、長らく囁かれていた小池都知事の国選への鞍替え、総理大臣擁立という都市伝説もほぼ無くなっただろう。

岸田氏は物知りではあるが線が細い。また紳士過ぎて押しが弱い。せっかく早くから名乗りを上げていたのに「モリ・カケの再調査はしない」とトーンダウンした。

確かに派閥や長老の協力なしには、政権運営は難しいのは事実だろう。だが今自民党の喫緊の課題は、国民との対話力の乖離、説明力、驕り、自惚れ、である。今の自民党への支持は、野党力の無さに支えられてるものであって、決して積極的支持で支えられてるものではない。

そいう意味では菅さんが総裁のまま総選挙を迎えていたら、野党は戦い易かっただろう。逆転も十分にあったろう。だが自分の考えがある程度言える四人が立候補したことで、自民党の良さもある程度出て来た。

だがまだまだ長老やキングメーカーに忖度し過ぎの一面は隠しきれない。秋元司議員の事件も河井夫妻元議員事件も長期政権の歪みから来ている話である。「モリ・カケ・サクラ」の問題も、無理やりもみ消したという感じで、全く解明されていない。

現在社会において、公文書を改ざんすることはあってはならないこと。何故そのようなことが起ったのか、何故官僚が総理の意に添うように発言をしたのか、それはしっかりと調査すべきことだと思う。ひょっとすれば、中央行政だけでなく、地方政権でも同じようなことが起っているかもしれない。

地方でも五期、六期とやってる者は地元で「大御所」とか「天の声」とか言われて、業者と組んで悪だくみをしている者も少なくない。中央でそういう前例を作ってはいけない。地方から上がって来る政治家の中には、町議、市議、県議、国会議員と上がるに従い、経営していた土建業が驚くほど大きくなっていく企業も多いのである。

結局、県庁などの情報が一般人より早く入るという利点だけでなく、行政が与党政治に忖度するのである。野党議員にだって、似たようなことをしている議員もいるが、やはり影響力が違うので、スケールが違うのである。

地方の各議会に共産党が五名ぐらいいると、格段に首長の不正は減るだろうし、ワンマンさも無くなるだろう。共産党には政治に対しての清潔さがある。だけど日本では「暴力革命」を恐れて人気がないのである。この際不正追及野党に徹底すれば、意外と人気がでるかもよ。



▼アメリカがアフガニスタンから兵隊を引き上げた。途端に政府側は逃げ出しタリバンが国内を制圧し始めた。これから国内が混乱するだろう。刑務所に入れられていたタリバンが釈放されて、監視していた政府軍が刑務所に入れられたそうで、一夜にして天と地がひっくり返った状況である。世の中にはこんな現実もある。

アメリカの国民の半数以上が何の為の出兵だったのかと疑問に思っているらしい。日本から遠く離れた国の出来事だから、内容は詳しく知らない。

この問題を取り上げたのは、昨日まで為政者だった大統領が国外逃亡するにあたって、トラックに四台分も五台分もの現金を積み込み、それを軍用機に積み替えて、入り切らなかった分は滑走路に放り捨てたまま飛び立った、というニュースが流れていたからである。

外国の軍隊に応援を頼みながら、全く国内を統治できずに、外国部隊が引き上げると我先に国民を置いて逃げるような男が、その国の統治などできる訳がない。右であれ左であれ、その国の事情はその国の者しかわからないところがある。

他所から腰掛で戦争を仕掛けて来るものと、地元で腹を据えてゲリラとして戦う者とでは、地元勢力が絶対的に有利である。地の利がある。特に今の時代は、核兵器を持っていても、簡単には使えない。大国と言えども、核兵器を使えば世界中から非難されるのである。

今回、国民をほったらかして真っ先に逃げ出したガニ大統領と言うのも情けない。戦乱の中で外国軍隊を招き入れて大統領になって、それでも混乱を治めることができず、金だけ持って逃げるなど、本当に情けない。 最後まで戦うか、もはやこれまでと思うなら自害するか、それもできないなら、投降すべきである。それとも態勢を立て直して、再度タリバンに立ち向かうというのだろうか?

国民を見捨てて逃げるようでは、誰もついては来まい。ガニ大統領に人間の煩悩を見た思いだった。国民に革命を起こされて、政権をひっくり返されて海外へ逃亡した為政者は、莫大な隠し財産を持って逃げる者が殆どである。後日、大統領府や私邸が公開されるであろうが、国民の貧しさに反比例して、その一族の贅沢さが際立っているのがわかるだろう。

中には先日辞めた小さな国の大統領のように、国民と全く同じような質素な生活を送っていた立派な人もいるには居るが、国民に内緒で贅沢の限りを尽くしている為政者が殆どである。

だいたい逃げ先はアメリカが多い。資本主義社会は金さえ出せば守ってくれる社会でもあるし、人権に対する法律も厳しく守れられているから、逃亡先としては安全である。国が受け入れてくれればの話ではあるが。

国民が生きていく上で、社会主義が良いのか、自由主義がいいのかの結論は出てはいないが、貧民国からの移民や難民の逃亡先を考えると、社会主義国を目指している人たちは殆どいない。やはり夢のある国として選んでいるのは自由主義国が圧倒的に多いようである。やはりすべてが配当制で、国が貧しく、自由の無い社会は暮らしが息苦しいのであろう。

しかしネット社会になって、国民全員がスマホを持たされるようになり、何でも登録制になって、その24時間まで監視される世の中になっていく。プライバシー保護とはいうものの、それを見張るのも人である。興味ある人の生活なら覗いてみたくなるのが人情であろう。覗き見したら今度は人に話したくなる。そんな時代がもうそこまできているのである。



▼東京オリンピックもパラリンピックも無事に終了した。主催者の中には「感染拡大とオリンピック開催とは関係ない」という者もいるが、それは驕り的な発言である。

オリンピック関係者の感染は思ったほどクラスターが起こらず良かったが、オリンピックには祭り的な要素もあるので、国民に気の緩みも出たのも事実である。そして一方で国民には非常事態宣言を出して規制していた。相反する矛盾行為である。だから無事に終わったからと言って、主催者が今は威張って発言する場面ではない。

今回、大過なく終えた功労は森喜朗元総理が大会会長を辞任し、橋本聖子会長に代わったことである。森喜朗氏がそのまま続けていたら、ボロが出過ぎて踏んだり蹴ったりだったろう。

今回のオリンピックの中心・基本は「ジェンダー論」だった。私はそれまで「ジェンダー論」が今の世の中で、こんなにも強く叫ばれてることを知らなかった。オリンピックも「強いものが勝つ」ということしか考えていなかった。

何となく上級者優越主義に批判が出ていたり、昭和オヤジ的発言に嫌悪感があったり、と言うのは肌で感じてはいたが、女性の独立心や性差別に対しては明らかに知識不足だった。

開催前にあれだけボロが出て、批判が強かったにも拘わらず、無事に終えられたことは、何よりも国民の協力・支援(反対も含めて)があったからであることを忘れてはいけない。一部の反対があったことで、逆に国民のガス抜きになったのも事実だろう。そのくらいコロナ感染を国民は恐れているのである。

だからだろうか、オリンピック開催を声高に叫んでいた政治家も、実際に始まったら誰も「日本頑張れ」の発言をしなかった。実際に始まったら、思いの外ジェンダー論が進んでいるのを目の当たりにして、発言を控えたのだろう。

そこでオリンピックで注目された三人の女性にスポットを当ててみた。橋本聖子氏はオリンピアンから政治家にとらばーゆした人、小池百合子都知事はアナウンサーからとらばーゆした人、丸川珠代氏もアナウンサーからとらばーゆした人。この三人が東京オリンピック2020の主催者側の表の顔だったのは間違いない。

橋本聖子氏はスポーツマン出身だから、直前までやれるのかやれないのかがわからない状況の中で、競技者の気持ちが痛いほどわかる立場だったので、他の二人に比べて真剣さが違った。しかも嫌われ役の森元総理の後を継いでの会長就任だったから尚更大変だったろう。無駄口を一切聞かず男前な気質を一切遮断しての演出は見事だった。

丸川珠代氏はオリンピック大臣として露出度はあったが、東大出身で頭はいいのだろうが、時々意味不明の自己満足発言で、国民とは距離感があった。それに国民に外出自粛を要請している最中であるにも関わらず、バッハ会長の銀ブラを擁護するような「不要不急の外出自粛はご自身の判断で」と言うのも、上級者への忖度みたいでマイナス点もあったし、若さもあって、女力で緑のタヌキの小池百合子都知事には太刀打ちできなかった。

やはり世の中では、女力、男力と言うのは、何事にも代えがたい魅力の一つであるのは間違いない。あの熟熟としたたれ目と、ちょっと太めな腰回りの女力に、世の爺連中が心惹かれているらしい。流石に今回はコロナ禍での大会だったので、表向きオリンピックの話は声高には話せなかったが、緑のタヌキとしての露出度はピカイチだったので、秋の総選挙では誰と組むか、何処を応援するか、やはり注目度はあるだろう。

今回のオリンピックは、世の中の移り変わりをしっかり見せてくれたオリンピックでもあった。古い考えからの脱皮というのかなー。今まではスポーツと言うより、「遊び」と思われていたストリート系の種目も増えた。今後はもっと「分野」が広がるのではないか?

結局、今回のオリンピックの勝者は、この女性三人組だね。結局三人とも、今後は晩年まで安泰じゃないの。今回も堅い話三話になってしまった。やっぱり「黒門帳観音開きの利蔵親分」の熟女逸話を入れて味付けしないと、なんともピリッと来なくていけやせんね。よっ、とよこ姐さん。


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