今度こそ本当に立ち上がれ日大マン!悪癖を一掃せよ

(敬天新聞 令和4年2月号 1面)


苦渋の選択

出る杭は打たれるが出過ぎた杭は打たれない、と言われてきたが「出過ぎた杭は根元から引っこ抜かれる」という例を特捜に逮捕・起訴され、失脚した日大のドン田中英壽前理事長が見せてくれたかもしれない。

とは言え、もっと特捜は外圧(別件逮捕)を掛けて、日大を正常化に持って行くのかと思ったら、意外とソフトな外圧だった。あくまでも自浄作用での改革を求めたのであろうが、「天ぷらは食ったことはあるけど、コンプラは食ったことは無い」というほど、独裁的だった体制を、自浄作用で正せるのか?

あれだけ大学を自由に操って、大学の事業の全てにキックバックシステムを取り入れ、現金を受け取っていても、背任にも贈収賄にも問われず所得税法違反だけで終わるなら、やり得感さえ感じる。尤も普通の人はそこまでは出来ないし、地位も名誉も失うのだから特捜が温情を見せたのだろうか?

 

それにしても大学の仕事をする業者から、「先ずは金を持って来い」と言って「ちゃんこ屋詣」をさせて、その後に「多く払った者を優先させて仕事をやらせる」システムを作り、何社か競合した場合には点数まで改ざんして落札させ、そこからバックさせた裏金をつくり、実行した者だけが背任行為となり、その金を貰った者は背任ではないというのは意味がわからない。

一連の行為は繋がっているし、その結果として届けられた金であることは、田中前理事長も妻も十分理解していた筈である。少なくとも日大の仕事を取れた御礼という趣旨で桁違いの謝礼を受け取っているわけで、この金は「裏金」という自覚があったから、最初は貰ってないと言って隠していたのだろう。

裏金であっても、「不正なお金ではない」と言う意味なのだろうか? 申告してたら不問にしたのか?凡人には理解できないのである。やはり上級国民には待遇が違うのだろうか?



田中被告と決別

果たして日大執行部は、会見で国民に約束した「田中被告」との決別を実行できるのか、注意深く見守る必要があるだろう。

日大からの説明が足りないので分からぬが、先ずは田中体制時代に「ちゃんこ屋詣」で成り上った役員、職員、出入り業者の他、高級弁護団は、一人残らず入れ替えるべきである。

逮捕されても田中前理事長は役職を解任されたという自覚がないのか、保釈になって真っ先に、日大病院に立ち寄って、体調の検査をしてから、自宅に戻った。本人の自覚からすれば、「俺を理事会、評議員会が解任した? どの面下げて解任できるんだー? 何を勘違いしてるんだ」くらいの感覚しか、無いのではないか?

今の日大に、田中前理事長と対峙して、面と向かって物を言える幹部は一人もいないだろう。田中前理事長も現状を呑み込むには時間を要することだろう。その為にも、当分の間は、前理事長に無縁の法曹界の人でなければ、対応は難しいだろう。

日大からは著名な人材が各界に多数出ている。特にスポーツ界にはレジェンドが多い。実績から言えば、田中前理事長より知名度のある人も沢山いる。

しかし、田中前理事長はスポーツだけでなく政治力も、表と裏の人脈もあったのでトップまで駆け上がったのである。

特に突出していたのは、暴力団との交遊であった。それも超大物で、しかも自ら喧伝する節さえあったのである。写真が出回れば、「合成写真だ」と言い逃れてきたが、誰もそんな言葉を信用する者はいなかった。

大学内の側近達は、写真の存在も知っていた。写真は関係者しか持っていない訳で、側近達は皆、一度は見ていた筈である。だから怖くて、逆らうことが出来なかったのである。独裁体制が築かれた大きな要因の一つである。マスコミが長く、この真偽を問えなかったのは、単に怖いと言うだけでなく、真実の声を教職員から聴くことができなかったのである。

日大関係者は、日本中の国民が見守っている今しか決別の時がないことを、しっかり自覚して行動することが、大事であることを理解すべきである。

1月18日には、日大の理事長と側近理事が逮捕・起訴されるという異例の事態に対し、複数の大学の学長や組織のガバナンスの専門家など外部の有識者11人が集まり第一回目の再生会議が開かれた。3月までに最終報告書をまとめるそうだ。

日大の加藤直人理事長は「二度とこのような事態を招かぬよう、忌憚(きたん)のないご意見を戴き、新たな道を築いていきたい」と挨拶したという。

既に損害賠償を請求する方針も明らかにしている。文科省の指導に従い、迅速に情け容赦なく損害賠償訴訟を起こすべきである。

今月15日には、田中被告の脱税の罪を問う初公判が午後2時から東京地裁で開かれる。

年頭に週刊誌から直撃取材されて「俺はもう辞めたから話す必要ねーんだよ!」と声を荒らげていたそうだけど、反省の弁はあるのだろうか?

そして、本当に日大の改革は進むのか?

 

弊紙には、年明け早々「未だに日大の上層部が、田中・井ノ口の息のかかった業者を切ろうとせず、知らないふりして事業部だけ無くそうとしている」という投書が届いている。

日大幹部、職員、OB・OG他関係者は、文科相が自浄作用による改革を求めている今が、最後の温情と受け止め、この機を逃したら、本当に130年の歴史が消える可能性があることを真剣に自覚し行動すべきである。

学生たちの為にも、今度こそ本当に、立ち上がれ日大マン!

健闘を祈る。



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