自民が禍根を残した長崎県知事選挙と 臭うSMBC日興と金子原二郎議員の進退

(敬天新聞 令和4年4月号 3面)


保守分裂選挙

2月20日に行われた長崎県知事選挙は、現職で3期12年続いた中村法道氏(71)を押えて、新人の大石賢吾氏(39)が当選して新しい知事に成った。医師であり優秀な新人だったらしいので、勝ったからと言って驚きはしなかった。

只、この新人を担いだ県選出の国会議員、谷川弥一衆議院議員(80)と農林水産大臣の金子原二郎参議院議員(77)の評判が余りにも悪いので、その影響で相当新人の足を引っ張るだろうと予想していたのだが、意に反して中村法道氏が負けてしまった。

この選挙では、自民党県連での大会で、谷川弥一議員の強引な主導の下に、新人大石賢吾氏の擁立を決めてしまったという理由から一部議員が反発し、自民分裂選挙になっていた。

国会議員である金子原二郎議員と谷川弥一議員が大石賢吾氏をゴリ押し、反発する北村誠吾議員と加藤竜祥議員の両衆院議員が中村法道氏を支援するなど、混乱を招いた。

だが、長崎県に21ある市と町の長の全てが、「中村知事」の実績を評価し推薦していたから、中村法道氏が負けるとは思わなかった。それなのに負けるとは何を意味するのか。想像以上に谷川弥一議員、金子原二郎議員が県下で力を持っているということか?

この二人の強引な口添えに、二つに割れた自民党は、今後の修復が大変だろう。これで谷川弥一議員、金子原二郎議員は、益々県内で権力を持つのだろうか? それだけは阻止しなければ成らない。


新たに誕生した大石賢吾長崎県知事


低い投票率

それにしても今回ばかりは簡単にノーサイドと言うわけには行かないだろう。投票結果を分析すれば、農村部では中村法道氏が優勢だったようだが、都市部で大石賢吾氏が健闘したようである。農村部に比べて都市部では変化を受け入れる姿勢が早い。そこを若さをアピールした大石賢吾氏がしっかり掴んだのだろう。

ただ長崎県に限ったことではないが、日本の平和を象徴する出来事の一つでもあるが、投票率が40%代なのである。半分以上の人が現状に満足しているということなのであろう。恐らくほとんどの人が、「誰がやっても同じ」と考えているのである。

「誰がやっても同じ」という解釈を分析すれば、「上に立った者は少なからず自身の利益に基づくような言動をするし、或いは身内や友人、知人を始めとした誰かと組んで、懐を肥やす習性がある」と思い込んでいるのである。中には仏様のような生き方をしてる人も居ようが、そんな人は一握りで、当たらずとも遠からずであろう。

大石賢吾氏は若いし、無限大の夢も理想もあるだろう。だが、何せ裏にいる谷川弥一議員の人相が悪すぎる。男の顔は履歴書なのである。それに加えて、とにかく言動に品格がない。

尤も顔は生まれ持ったその人の資質だから、あまり責められないが、発する言葉はその人そのものであり今のその人を表すわけだから、攻めどころ満載である。新しい知事は、確かに若いし爽やかなイメージだけど、裏にいる老タヌキ二匹が、一癖も二癖もある人物だから、今後は「大石知事」がこの妖怪たちに振り廻されないように、監視する必要があろう。

中村法道前長崎県知事


晴天の霹靂

知事選挙が終わって間もなく、そんなことを考えていた矢先の3月7日、金子原二郎議員が突然、記者会見を開いて今夏の参議院議員選挙に出ないで政界を引退する意向を明かした。

金子原二郎議員は選挙運動中、世代交代を訴えていながら、自分が中村法道氏より6歳も年上であることについては、「知事と国会議員とは違う」と、都合のいい解釈を示していた。ところが自分の進退について語ったこの記者会見では、やはり「世代交代」を理由にしていたようだった。

それにしても、何故この時期外れに、わざわざ記者会見までしたのだろう? しかも自民党長崎県連では、公認も決まっているのに。と思っていたら、なにやら事件の臭いがプンプンしてきたのである。


政界引退を明かす金子原二郎農水相


事件の臭い

SМBC日興証券の幹部5人が株価操縦の罪で逮捕された事件は記憶に新しい。その捜査の中で長崎県から30億円が投資されていることが分かったようだ。

これは、この日興証券に金子原二郎議員の息子である金子容三氏が勤めていて、忖度入社のお土産だったのか、どうやら長崎県の積み立て基金の中から、運用された金らしいのだ。

県には、県庁の職員や警察官などの退職金などの支払いのために、積立基金というものがあり、その運用は知事の裁量権に任せられているらしい。過去にはリーマンショックで大損した県もあったそうだ。

果たして長崎県は、この投資に対する説明をきちんと議会に、或いは県民に説明しているのだろうか? 証券会社の相場操縦で会社役員を特捜が逮捕するのは異常だなー、と感じていたが、やはり狙いは裏に潜む政治家だったようである。

岸田内閣はもう少し身元調査をしっかりしてから、選ぶべきだった。週刊誌や弊紙などでは、金子原二郎議員と谷川弥一議員との閨閥(けいばつ)政治が、違法に諫早干拓に入植している現実を記事にしてきたのに、寄りにも寄って、農林水産大臣に任命するとは、如何に岸田内閣が身元調査を軽く行ったかであろう。

金子原二郎議員には、もう一つ大きな疑惑がある。長崎県知事時代に積み立てた基金が1200億円ぐらいあったそうだが、現在は1000億ぐらいに目減りしていると言われている。利回りは高いが危ないところに運用した事が原因と言われているのである。

特捜も未だ手の内を見せてないようだから、どれが本命だかは分からないが、現職の農林水産大臣をターゲットにしているのだけは事実のようである。恐らく不自然な次の参議院選挙に出ないという記者会見から、大臣辞任の一報が出るのもそう遠くはないのではないか。

文春砲も炸裂するという情報もあるので、この弊紙の記事が出る頃には、もっと詳しい内容が世に出ていることだろう。


週刊誌で疑惑を報じられた金子原二郎農林水産相と谷川弥一議員


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