銚子漁港に出入りする茨城の運送業者が過積載常習疑惑

(敬天新聞 令和4年5月号 1面)


銚子漁港の投書

千葉県銚子市の太平洋に面する日本三大漁港の一つで知られている銚子漁港で、出入りしている茨城県の運送業者が積荷(魚)の過積載や海水の垂れ流しを、常習的に行なっているという投書が届いた。

違法行為であるから止めさせて欲しいというので、注意を促す意味で関係先に質問状を送ったところ、指定した期限までに回答は得られなかった。質問状の送り先は、銚子市漁業協同組合、 且O陽(加工業者)、上原運輸求A椛蜷L運輸、水戸ライナー梶A泣gランスポート水戸、そして茨城町会議員の田家勇作議員である。尚、銚子市漁協からは「検討に時間を要します」という連絡があった。

銚子漁港は日本屈指の水産物流拠点で、漁港漁場整備法上の特定第3種漁港(国指定最重要漁港)に位置づけられており、年間水揚量は昨年まで11年連続で全国第1位を誇っている。因みに昨年の2位は北海道釧路、3位静岡県焼津、4位長崎県長崎漁港と続く。

売上高では、焼津漁港が5年続けて日本一である。値の張る魚が多いのだろう。その焼津漁港で冷凍カツオの横流し(窃盗)が発覚し、関係者が逮捕されたニュースは記憶に新しい。関係者の話では、日本中の漁港で「魚の横流し」は日常的に行われているという。

では、銚子漁港でも行われているだろうか? それは今のところ分からない。銚子漁港は千葉県だから、加工場や運送業者は千葉県の業者とばかり思っていたが、投書にある運送業者は茨城県の業者ばかりだ。加工業者は、福岡県に本社があり、加工場が茨城だということである。

名前の挙がっている町会議員は、「顔が利く」らしいのだが、茨城の一町会議員が他県の、しかも漁港でどんな力を発揮できるのだろうか? 何とも不思議な話である。



多くの漁港で?

だいたい魚の横流しとかの意味もよく分からないし、何故そのような事をする必要があるのかも分からない。 乱獲による資源減少を防ぐための漁獲制限を逃れて闇ルートで売って儲けるというのか?

それとも漁船の乗組員たちが船主を騙して、荷揚げを少なく申告して、その騙した分を関係者で分けるという意味なのだろうか?

その様な話なら、筆者も若い頃に経験したことがある。

今から40年ほど前、北海道で金貸しをしていた人が、船主に金を出して魚を満杯にして帰って来るという約束を交わしていた。しかし船主は、いつも不漁だったと言って、半分しか積んで帰って来ないので、金主から相談されたのである。

そこで、怪しいと思って船が帰って来る直前に、近くの港で張り込んでみたところ、約束の漁港で水揚げする前に、他の港に寄って半分降ろしてから、帰港していた事実を掴んだことがある。

焼津港での事件は、その最新バージョンだったのだろうか? そう思って、改めてしっかり事件記事を読み直してみたら、漁師が魚の水揚げを誤魔化していたのではなく、漁港を管理する漁業組合の職員がグルになって、常習的に水揚げを誤魔化して(盗んで)、更に水産加工場の社長とも組んで、謝礼を受け取っていたということだった。それが慣習となって何十年も前から続いていたそうである。被害者は焼津漁港の組合員である漁業従事者だ。

ということは、筆者が40年前に経験した漁業者が抜け荷する話とは内容が全く違っている。漁業組合関係者に尋ねると、多くの漁港で似たようなことが行われているという。

監督官庁及び当局には、このような不正が行われていないか、全国の漁港で調査するよう力を入れて頂きたい。

また、トラック(活魚運搬車)の過積載は道路交通法(57条)に抵触するし、海水の撒き散らしも、漁港のある地域では、度々問題になっているようで、道路交通法( 71条・積載物の転落・飛散防止措置義務)に抵触する恐れもあるから、こちらも同時に、事故を未然に防ぐ意味でも、厳しく取り締まって頂きたいものだ。続く。


銚子市漁業協同組合からの連絡


敬天ブログ敬天新聞社ホームページ敬天千里眼不正疑惑(評判・噂)告発