茨城県の牧場から出た家畜の糞尿を食品大手に出荷する野菜畑に投棄?

(敬天新聞 令和4年10月号 2面)


不適切な処理

身体にいい野菜の代表と言えば、今やトマトではないだろうか? トマトは栄養成分が豊富で、各種ビタミンにより美肌効果や抗酸化作用による老化や動脈硬化、癌などの生活習慣病の予防にいいと注目されている人気の野菜だ。トマトを使ったレシピも豊富に紹介されている。

そんなトマトを使った商品と言えば、昔からカゴメのトマトジュースが有名である。何せ、今でこそ各社の製品が店頭に並ぶが、昭和8年に日本で初めてトマトジュースを発売したのはカゴメの前身である愛知トマト製造鰍ナある。

そのカゴメ商品の原材料として使用されるトマトを出荷しているという契約農家で、家畜の糞尿を適切に処理せず、そのまま畑の肥しとして撒いていると言う情報が弊紙に寄せられているのである。

今の時代に、まさか? と思って、糞尿の発生元であるという茨城県鉾田市にある鈴木牧場(鈴木一社長)と、そこから糞尿の廃棄を請け負っているという業者に対して、書面にて取材を申入れたが、期限までに回答はなかった。回答が無いということは、指摘した内容が図星だったのだろうか。適切に処理されているのなら、「適切に処理して撒いてます」と真面な会社なら答える筈である。

しかもその畑と言うのが、その町の町長の住まいから百メートル位しか離れていないと言うのである。

情報提供者によると、「町長もこの事実を知っている」ということだ。

昔は確かに糞尿をそのまま畑に撒いていた時代もあっただろう。だが、先進国になった今、農業も進歩した筈だ。今や糞尿を自宅で汲み取りするところは、どんな地方に行っても見られない。畜産農家でも、専門の業者が回収し、指定のし尿処理工場で処理をする。或いは適切な処理の後に、肥料として使うことになっている筈である。

そのまま「肥料に成るから」と言って使用するとなれば、何より不衛生でありカゴメに対する裏切り行為でもあろう。まさかカゴメもそれを知ってて、主力商品であるトマトジュースの原料として受け入れてるということもあるまい。この点も踏まえてカゴメの社長にも取材を申し入れたが未だ返答は無いままだ。


定番のトマトジュース


この家畜の糞尿廃棄を請負い、適切に処理しないまま畑に撒いてる業者と言うのは茨城県東茨城郡茨城町にある有限会社藤幸工業という会社であるそうだ。

因みに平成11年に成立した「家畜排せつ物法」に基づく適切な処理について述べると、糞尿を昔のように、野積みしたり、素掘り(穴埋め・肥溜め)する行為は、地下水や河川などの水質汚染の他、悪臭による近隣住民への環境問題となるから禁じられている。水質汚染に成る理由は、家畜の糞尿には大腸菌などが含まれるからだ。

そこで畑に「肥やし」として使用する場合は、「堆肥化」といって時間をかけて発酵させることによって、菌を無くしてから肥料としてつかう「適切な処理」といった工程が必要になるわけだ。


食の安全を守る

今回の情報を踏まえ、「茨城県農林水産部畜産課」に、家畜の糞尿の処理について訊ねたところ、「ただ糞尿を土壌に埋めるだけの行為であれば、産業廃棄物法違反の不法投棄に成るが、畑など農産物を作付けしているのであれば、有効利用とみなされ直ちに違法(規模や状況にもよる)とはならない」ということだ。

但し、「堆肥化せずに畑に埋めたり撒いたりしていれば、水質汚染と同様に野菜などの農産物に大腸菌が付着するリスクを伴うから好ましくない行為であるし、悪臭により住民トラブルに成ることもある」と、丁寧な説明を受けた。

つまり、野菜に付着した大腸菌によって、それを食した人がО‐157等に感染する恐れもあるということだ。

ただ、堆肥化せず糞尿を畑に埋める(撒く)ことは、法律で明確に禁じられていないようである。しかし、以上の理由から不適切である行為には違いないだろう。まして、カゴメのトマトジュースの原材料であるとすれば、メーカーにとっては問題ではないか?

まあ大手食品メーカーともなれば、食の安全を守るため、原材料の洗浄や殺菌といった工程には余念がないだろう。

「非加熱濃縮製法」とか「無添加」「搾りたて」とか聞くと、消費者はジューサーで作ったフレッシュな野菜ジュースを想像するが、実際は殺菌のために過熱処理をするのがメーカーの常識であるようだ。

それにしても、名前のあがっている茨城の業者達は、ちゃんと役所の指示に従って家畜の糞尿を適切に処理しているのだろうか?



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