公庫の資本制ローン申請代行を騙るアーク経営労務事務所の実態は?

(敬天新聞 令和4年11月号 2面)


嘘吐きは日本の恥

政府は、「日本再興戦略」を踏まえて、民間の活力を最大限に引き出し、持続的な日本経済の成長を目指して様々な施策を進めている。この成長戦略の柱の一つとして、政策金融機関である日本政策金融公庫(日本公庫)が行っている「挑戦支援資本強化特例制度(以下、資本制ローン)」というのがある。

資本制ローンを利用できるのは、「国民生活事業」と「中小企業事業」の対象者で、「国民生活事業」は、ベンチャー企業や創業後間もない企業などの小規模企業、個人企業へ向けた小口資金融資が中心で、「中小企業事業」は、中小企業向けの事業資金を融資していて、新規事業や企業再建に取り組む比較的規模の大きい中堅企業が中心となっている。

この資本制ローンは、女性や若者も一定の条件を満たせば利用可能で、新規開業の夢も実現可能だ。この融資制度の最大の特徴は、金融検査上「借入金」としてではなく「自己資本」としてみなすことができることである。債務であることには違いないが、自己資本比率を下げることなく(信用力に悪影響を与えることなく)資金調達ができるため、追加融資において問題視されづらいという利点がある。

この資本制ローンを巡って、日本で暮らす外国人女性から、「申請代行」を謳う「アーク経営労務事務所」という都内の業者に、お金を騙し取られたと言う被害相談があった。

これから事業を起こそうと希望に満ちた外国人女性が、日本の法律や制度について知識の乏しいことに付け込まれて、悪質な業者にお金を騙し取られたとすれば、許しがたいことである。日本の恥として、このような業者は厳しく追及し、叩き潰さねばならないだろう。


アーク経営労務事務所の住所は都内のレンタルオフィスである


レンタルオフィスの貸しポストに表記はあるが・・・


実態はどこ?

そこで、先ず資本制ローンについて日本公庫に問い合わせてみたところ、申請に伴う諸々の手続きについては、全国にある日本公庫支店窓口に於いてサポートしており、申請に分らないことがあっても、公庫で対応しているので、難しいことは無いそうだ。

しかも、「代理申請」を請け負う業務委託や業者の存在は、公庫として認めていないし、これまでに把握していないとのことだ。

また、申請書の記入を補助する意味で「税理士」や「公認会計士」などが、申請書の作成を代理する(請ける・手伝う)ことはあっても、申請書の提出に至っては、申請を希望する「本人」でなければ、「手続きとして成し得ない」との見解を示している。

被害女性が「アーク経営労務事務所」と交した業務委託契約書には、申請代行の委託金として22万円の支払いと、成功報酬として調達金額の20%を支払うことが記されている。

だが公庫の見解を踏まえれば、そもそも代理申請しているということ自体が疑わしい。契約期間を令和5年3月末としているのも、責任を逃れる時間稼ぎの一手ではないのか?

「アーク経営労務事務所」のホームページでは、「助成金申請代行」「各種労務管理」「経営に関する相談」等の業務を行い、「実務経験豊富なスタッフが全力でサポート」だとか、「弁護士、税理士等他士業との連携」と謳っている。

しかし、「アーク経営労務事務所」の住所(東京都豊島区池袋2-57-6)を訪ねてみると、小さなレンタルオフィスである。

そこに士業の有資格者たちが勤務しているとは考えられない。実態は別の場所に在るのではないか? 或いは必要に応じて、外部の弁護士などに仕事を投げているのではないか? もしかして、レンタルオフィスを利用して非弁行為のようなことをしていないか? 疑惑は深まるばかりだ。

一応、幾つも連なる貸しポストの中に、「アーク経営労務事務所」の表記はあったので、書面にて取材を申し入れた。しかし、何日経っても受け取った気配はない。実態は遠方かな?

被害に遭ったという外国人女性は、刑事告訴を検討中で、怒り心頭である。

弊紙スタッフは、この被害女性が、今時の日本人では見られないほど、清らかで礼儀正しい所作を見せたので、詐欺師どもによって、日本のイメージが損なわれたことに、恥ずかしい限りである。許せん!


契約書と領収書

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