茨城町に産廃と思しき土の山・地主は町長と懇意のあの業者

(敬天新聞 令和4年12月号 3面)


住民からの投書

茨城県のほぼ中央に位置する茨城町下座というところで、町長と繋がりのある地元の業者が、所有する土地で大量の土を山積みにして、近隣住民は不安視しているという投書が寄せられている。

投書の主は農業を営む40代で、木屑や産業廃棄物らしき物も点在していることから、異臭や土壌汚染を心配しているという。道路にも土が堆積しており、管理が行き届いているとは言えず、近くで子供たちが遊ぶ姿も見受けられるので、非常に心配であるという。投書には証拠として写真が複数同封されていた。

この投書によると、土地の所有者というのは(有)藤幸工業であるらしい。藤幸工業は、佐藤順一前町長の時代に、賄賂を贈って息子を茨城町役場に就職させたことがあるそうだ。当の本人が自慢話のように「1千万払って役場へ採用してもらった」と自慢していたとも書いてある。



行政が一部産廃を疑う茨城町下座に積まれた土の山


疑惑の業者再来

ところで、この(有)藤幸工業(茨城町下座324)というのは弊紙10月号の記事で、牧場から出た家畜の糞尿を食品大手カゴメに出荷する野菜畑に撒いていると報じたことのある業者だ。

糞尿の件では、発生元であるという茨城県鉾田市にある鈴木牧場(鈴木一社長)と、そこから糞尿の廃棄を請け負っているという藤幸工業に対して、書面にて取材を申入れたが、回答はないままだ。適切に処理されているのなら、「適切に処理して撒いてます」と真面な会社なら答えるだろう。弊紙の経験では、疾しいことが無い会社ほど、代理人弁護士など使わずに、誠実に社長名で回答してくることが多い。回答が無いということは、指摘した内容が図星だったのだろうと疑わざるを得ない。

しかも、その畑と言うのが、現職の小林宣夫町長の住まいから百メートル位しか離れていないから、「町長もこの事実を知っている」ということだった。

ということは、藤幸工業というのは昔も今も、茨城町の首長に取り入る力を持っているということか? 昔は確かに糞尿をそのまま畑に撒いていた時代もあった。だが、今の日本は先進国である。平成11年に成立した「家畜排せつ物法」によって、糞尿を昔のように、野積みしたり、素掘り(穴埋め・肥溜め)する行為は、地下水や河川などの水質汚染の他、悪臭による近隣住民への環境問題となるから禁じられている。

水質汚染に成る理由は、家畜の糞尿には大腸菌などが含まれるからだ。畑に「肥やし」として使用する場合は、「堆肥化」といって時間をかけて発酵させることによって、菌を無くしてから肥料としてつかう「適切な処理」という工程が必要になる。

つまり、家畜の糞尿をそのまま撒けば、野菜に付着した大腸菌によって、それを食した人がО‐157等に感染する恐れもあるということだ(役所の見解)。

それなのに、町長が黙認していたとすれば、これまた問題ではないか?



玉虫色の顛末

今回の投書にある土の山積みについて、茨城町の担当(みどり環境課)に問い合わせたところ、既に町民から問い合わせがあったので、県の廃棄物規制課と共に現地確認をしたとのことだった。

業者側の言い分は「土は有価物(売買をしている)」とのことであり、行政としては有価物については、産業廃棄物ではないので、規制の対象外であるらしい。しかし、土の中には疑わしい物が一部混ざっていることを確認しており、業者に対して解決を求めたところ、業者は撤去することを約束したという。現在少しずつ減っている状況にあるらしく、行政は取り敢えず作業を見守っているのだそうである。

疾しいことが無ければ、撤去する必要は無いのに、役所の指摘で撤去を始めたということは、極めて黒に近いグレーな話である。今後も藤幸工業の仕事には、何かと注視する必要があるだろう。



10月号に掲載した家畜の糞尿を畑に運ぶ藤幸工業のダンプ


敬天ブログ敬天新聞社ホームページ敬天千里眼不正疑惑(評判・噂)告発