敬天新聞 令和6年2月号 社主の独り言(中辛)

(敬天新聞 令和6年2月号 4面)



▼日本大学の前理事長だった田中英寿氏が、本年一月十三日の早朝に亡くなったそうだ。享年七十七歳だった。

私と日大相撲部の縁は大相撲で横綱まで行った輪島関だった。輪島関の借金問題が表沙汰になった時、その尻拭いをしてくれた山岸という人が新宿二丁目に居て、そこに私も出入りしていた。

その頃私は、アメフト部の篠竹幹夫監督の私設秘書をしていたのである。それで篠竹監督に輪島関の話をして、グランドに連れて行ったのである。当然輪島関はアメフトはド素人であったが、篠竹監督の口利きで社会人チームの監督になったのである。マイナースポーツだったから、そんな無理も効いたのだろう。

確かそのチームが一時輪島関のスポンサーにもなっていた。相撲部の指導者になることもできたのだろうが、相撲部には輪島関の一学年先輩の田中英寿氏が君臨していたし、プロのトップまで行った輪島関だから、実績では寧ろ上だったかもしれないが、アマチュアでの実績は田中英寿氏の方が上だった。

それにその頃から、相撲部では優子夫人の存在が強く、田中氏も全く頭が上がらない存在だったと噂されていた。私も田中氏を応援してた頃、何度もチャンコ亭に招待されたことがある。私はいつも二階の部屋だったので、一階の間取りは余り知らない。

確か奥さんは女子相撲部の監督もしてたんじゃなかったかな〜。伊勢丹とか買い物に行くとき、女子相撲部のマネージャーが荷物持ちに付いていた。

今なら、パワハラだ、モラハラだと、大変な騒ぎになるだろうが、田中氏がまだ理事長になる前だし、そのころの強い運動部は、上下関係は厳しく、制裁のようなヤキは普通にあった。

強い運動部出身者が組織を牛耳ってしまったら、勉強一筋で大学まで卒業して大学教授になった人たちが太刀打ちできるわけがない。強い運動部は基本的には軍隊のような組織に育つ。だから運動部は、学校運営に関わらず、会社でも、普通の組織でも、ワンマンと言われるような経営者から重宝されるのである。

要するに自分の親衛隊には、一番使いやすいのである。理由は腕力があること。体力には自信があるが、考えることは余り得意じゃないことが尚更使いやすいのである。

田中氏もその例に漏れず、時の理事長から尊重され、特別待遇で出世して行った。しかし田中氏は、出世するにつれ、理事長選挙や学長選挙にも影響する程の実力を持つようになり、ついには自ら理事長に就任するに至ったのである。

田中氏が上に上がって行く背景で忘れてならないのは著名なヤクザ氏の面々であったのは間違いない。驕る平家は久しからず。いつの世にも、何処にでもある風景である。



▼今は昔ほど、物を大事にしなくなった。使い捨ての時代である。しかし、物を大事にして育った高齢者は、中々物を捨てられない。だから家の中に物が溢れて整理がつかないのである。

他人から見たらゴミのように見える物でも、本人には思い出の詰まった大切な宝物なのである。終活と言われる意味は分かるのだが、自分の手で整理できないのが高齢者の特徴である。

私は昔から着ている作務衣が古くなって破れたりしているのだが、知人に洋裁に長けた人が居て、その人に御願いして、布を当て補強して着たりしてるのだが、今はそれがファッションとして、認められたりする時代であるから、年寄りには有難い。

子供の頃は上からのおさがりで、破れた物を何回も何回も継ぎ当てして、母親が縫ってくれていた。肘とか膝とかは、しょっちゅう破れる個所だった。そういう思い出が多いから、わざわざ新品のジーパンを破って履くとか、縫い当てがファッションという意味が高齢者には理解できないのである。

今のメロディーの無いような歌も同じであるし、あの首振りダンスなど論外である。

五十年後に懐かしのメロディーに出て、あの女性たちが首を振りながら踊れるだろうか? 踊った瞬間に首が回らなくなるだろう。歳を取ったら、サルでも木に登れなくなるし、ライオンだって歯が抜けてしまうのだ。

物事に対する価値観も意識も全く若者とは違ってくる上に、時代の流行まで違って来るので、益々若者との意識の違いが出て来るのである。

仕方がないね、誰もが経験する時代の変化、体の変化だからね。それに最近は、若い女性が自分の性体験などについても、全く恥ずかしがらずに、話する時代なのである。年配女性が一生懸命守って来た操とは何だったのか。

動物は歳を取れば、自然と集団から去って、ひっそりと死期を迎えるらしいけど、人間だけは入れ歯を入れて、いつまでも食事ができる。おまけに爺はいつまでも婆を追いかけまわす。

婆の本音は、「いつまでも只と思うな。使うなら金でも払え」というのが本音らしい。一人で生きて行くだけの生活費が無い(年金が安くて、年金だけでは老後が暮らせない)から、我慢して一緒に住んでるけど、余裕があれば、とっくに独り立ちしたいという婆は意外と多いのである。

何でも使い捨てる時代に育って、老後は捨てられる時代に突入するなんて、男ってつらいな〜。



▼特捜に狙われたら、先ず勝ち目はない。ただ一般の人は特捜には狙われない。狙われる人は余程特殊な事件であろう。

しかし今回のターゲットは、現自民党の中でも主流派に君臨する安倍派の最高幹部全員である。今までとはスケールが違う。あれだけの大人数を一気に潰せるだろうか? 悪質な何名かを血祭りにあげれば、それだけで一罰百戒にはなるだろう。今回の特捜の英断には国民は拍手喝采をしている。

選挙違反は本当に分かりづらい。大きな違反というのは素人にも分かるが、細かい部分での違反というのは、本当に分からない。事前買収というのは、何となく理解できるが、事後買収という言葉もある。何処が「一線」なのかと言うのが一般の人には分からないのである。

普通の人には関係ないので、余り興味もない。選挙違反というのは、選挙に関した特殊な者たちの事件である。民主主義の基本である三権分立を護るためにも、政治の独走を許してはならない。一度大きく逮捕者が出れば、十年は自粛が続くだろう。

逮捕者が出ても、政治家が入れ替わるだけで、政治家が減るわけじゃない。元々、能力そのもは、政治家より官僚の方がずっと上だから、実際に国を動かしているのは昔から官僚なのである。

しかし官僚は利口だから、政治家を「先生、先生」と持て囃す。アンポンタンな政治家は、本当に先生になったつもりで、背中につっかい棒が居るぐらい、そっくり返っているのである。

中には谷川弥一爺さんみたいに「あんたたちゃ、こがんともわからんと? 頭んわるかね〜」と言って、一気に辞めて欲しい政治家第一位になったりする者もいる。

そして都合が悪くなれば病院に逃げ込んだりするのである。

政治家歴五十年の間に、ちっぽけな土建屋から年商二百五十億の長崎県一の土建屋になり、典型的な政治家で出世した人物なのである。強いて言えば長崎県版、田中角栄である。

ただ田中角栄さん程、地元でも国でも人気は無い。要するに愛嬌が無いのである。しかも金子原二郎(元知事・元参議院議員)と閨閥義兄弟となってから、尚更ガツガツ国や県からの仕事を総取りしたのだそうだ。

長崎のネット情報「JCネット」によると、長崎市油屋町に高級鮨店「へのか」を出店したらしい。総ヒノキ造りで一人前二万五千円もするそうである。こんなに高ければ長崎県人では行ける人は限られてるんじゃないの? 俺や若島塾長では無理だね。 うちは思いっきり食べて三千円までの肉の万世新橋店の常連だからね。ちなみに今年の目標は三千五百円です。それにしても「屁の香」とは変な名前。俺だったら「やすらぎの鮨優香」だね。それに本命の土建屋で儲けているんだから、県民に恩返しのつもりで一万円かな? それよりも諫早干拓の土地を早く県に返してよ。


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