整理回収機構(RCC)の処理物件をめぐり、
新旧所有者激突!佐藤友久VS砂川日成―その2

2007/10/12

 バブル絶頂の頃、タレントのマリアンとの離婚慰謝料に5億円を支払ったとして、一躍時の人となったのが佐藤友久(イースターコーポレーション代表)である。しかし、その後は当時の勢いを失い40億円以上もの負債を抱えるまでに落ちぶれた。結局、虎の子の資産である赤坂三丁目(料亭「千代新」跡地で現パチンコホール)の所有不動産も、RCCの管理下になってしまった。そこで、起死回生として打った手段が、自身のメインバンク東京信用金庫と旧知の砂川日成(クラケンコーポレーション会長)と結託し、RCCを陥れる(或いは懐柔して)詐欺紛いといえる脱法行為の実行であった。

 RCC介入で瀬戸際に追い込まれた佐藤友久は、RCCに砂川日成を紹介し債権買取の原資調達(本件不動産所得費用11億円)に東京信用金庫本店(豊島区東池袋)をつないだのである。それと同時に、1年後を目処に本件不動産の買戻しと30億円の残債権を1万円で譲渡を受ける密約を結んだのである。所謂、公平・透明のなかで進められるべきサービサー業務を妨害し、自己利益に直結する迂回債務免除を画策したのである。事は両者の思惑通りに進み、夫々の利益を確定すれば済む話であったのだが、昨今の不動産価値高騰によって、当該不動産の価値が50億円程に急騰したことで、両者の協力関係はいとも簡単に瓦解した。そこからが、稀代の詐欺師として有名な佐藤敏夫の血を受け継ぐ「佐藤友久」と、暴力団に片足ばかりか首までどっぷり浸かっている、銭の亡者「砂川日成」との、醜く熾烈な銭の奪い合いが始まったのである。

 先ず先手を打ったのが佐藤友久で、砂川日成を相手に「土地建物所有権移転等請求」を東京地裁に民事提訴した(事件表示・平成18年(ワ)第19828号)。佐藤友久の請求趣旨を簡潔に言えば「契約した12億1千万円やるから、土地建物(50億円価値)を返せ」とするものだ。一方、協力者(共犯者)の立場から被告となった砂川日成は「契約は無効だ」として争う姿勢を示している。そもそも、RCCに対し詐欺同然の脱法行為を犯した両者が、司法の場で互いの主張を言い合うこと事態が有り得ない。  兎に角も、醜悪な人間性を随所に垣間見られる本件民事裁判からは、一時も目が離せない。(次回につづく)