2008/02/28
昨日、バルセロナのカタローニャ・サーキットで実施されていたF1・オーストラリアGPに向けた各チームの最終テストが終了。同じ日本車軍団と言えども善戦したトヨタチームとグズグズのHONDAレーシングF1との明暗の差はマックスに広がった。トップとビリだ。
F1・オーストラリアGPでトヨタの活躍が益々期待されそうである。最終日トップに立ったのはトヨタのヤルノ・トゥルーリ。トゥルーリがマークした1分20秒801というタイムは今週のベストタイムでありトヨタにとって励みになる結果だった。レッドブルのデビッド・クルサードが全体の2番手タイムを記録したが三番手にはニコ・ロズベルグ。日本ファン期待の中嶋一貴は8番手、11番手にもティモ・グロックとトヨタチームというか日本車チームというかが上位に食い込み善戦してくれた。
しかし同じ日本軍としてのHONDAレーシングF1は思わしくなくジェンソン・バトンとアレキサンダー・ブルツが、それぞれ「18番手と19番手」(ビリとブービー賞)だった。
HONDAレーシングF1は初日はルーベンス・バリチェロとアレキサンダー・ブルツがドライブを担当、夜通し降った雨により、ウエットで滑りやすいコンディションの中、ウエットタイヤ・ドライタイヤを履きこなして予選練習を完了。初日は、バリチェロとブルツはそれぞれ「17番手と18番手」だったというから後に行くほど結果が荒む悲しいパターンとなったようだ。この2週間、バルセロナは悪天候に見舞われて来たがHONDAレーシングF1の惨憺たる結果は天候のせいには出来ない。条件は皆同じなのだ。
(最終テスト結果)
01. ヤルノ・トゥルーリ - トヨタ
02. デビッド・クルサード - レッドブル・ルノー
03. ニコ・ロズベルグ - ウィリアムズ・トヨタ
04. ヘイキ・コバライネン - マクラーレン・メルセデス
05. マーク・ウェバー - レッドブル・ルノー
06. ネルソン・ピケJr. - ルノー
07. フェルナンド・アロンソ - ルノー
08. 中嶋一貴 - ウィリアムズ・トヨタ
09. キミ・ライコネン - フェラーリ
10. ルイス・ハミルトン - マクラーレン・メルセデス
11. ティモ・グロック - トヨタ
12. ジャンカルロ・フィジケラ - フォース・インディア・フェラーリ
13. フェリペ・マッサ - フェラーリ
14. ロバート・クビサ - BMW
15. セバスチャン・ボーデ - トロ・ロッソ・フェラーリ
16. エイドリアン・スーティル - フォース・インディア・フェラーリ
17. ニック・ハイドフェルド - BMW
18. ジェンソン・バトン - HONDA
19. アレキサンダー・ブルツ - HONDA
こんな状況であり、HONDAが鈴木亜久里氏の支援に力を注ぐ可能性は益々低くなった。
全国保証グループの商品先物会社ばんせい証券にチームの実権の7割を握られているに等しいスーパーアグリF1チームは、資金繰りに走り回るのがせいいっぱいでF1・オーストラリアGPに向けたこのバルセロナ・カタローニャ・サーキットで走る事ができなかった。
スーパーアグリのチーム名の入った大型トラックが物悲しくサーキットの近くに駐車されているばかりで、サーキット内でスーパーアグリF1チームの新車「SA08」を見た者はいなかった。スーパーアグリF1チーム代表の鈴木亜久里氏は先週末、東京でHONDAの上層部とこの危機的状況について話し合ったとのことだったがHONDAも今は亜久里氏どころではないだろう。
亜久里氏は「スーパーアグリF1チームで話し合った結果、資金的に苦しいこともあり、オーストラリアで行なわれる開幕戦の準備に集中することに決めた。したがって今週のバルセロナでのテストに参加しない」と毅然として発言をしているが心中は殺伐とした荒んだ状況であろう。
亜久里氏に対しては、他国のメディアの方が行く末を注目している。イギリス紙『The Guardian』でも、鈴木亜久里代表がチームの後援者であるHONDAと重要な話し合いを行うため、東京に向かったなど逐一報道している。各国のメディアが注目する中、スーパーアグリF1チームの将来は益々暗い方向へと向かっているような気がしてならない。
鈴木亜久里代表は資金調達のためさまざまな投資家やHONDA関係者らと交渉を行なっているそうだが合意に至らず。バルセロナ・カタローニャ・サーキットテストをキャンセルしてまで、投資家との話し合いが続いた事によりスーパーアグリF1チームはライバルチームよりもきわめてテスト不足の厳しい条件でF1・オーストラリアGP開幕戦を迎えることになる。
投資家との交渉が難航している理由として、新しいバイヤーにチームの主導権を握られることを嫌うHONDAの意向が、最終的な契約の合意を妨げているのではないかというのが「表の世界の噂」。
本紙を始め裏の社会での動きを想像してしまう者にとっては、―きっと全国保証グループ・ばんせい証券が買収交渉に難癖をつけてきたり、エーカンパニーとばんせい証券との「財務アドバイザリー契約」を盾に全国保証~ばんせい証券を買収仲介に噛せろ、と無理難題を突きつけてきたりとかが真の買収交渉難航の原因ではないか?―というのが「裏の世界の噂」。
どっちにしろ、ブローカーや詐欺師が暗躍してこの話はなかなか決まりはしないだろう。
アマチュアの世界だったら、今回一回ぐらい見送って資金的に余裕ができたらF1に再度チャレンジ…なんて事が言えるが、莫大な資金が動くプロの世界で一度でも失敗は許されない。もともと、「失敗作」と言われ昨年、好成績を残せなかったHONDAの「RA107」が、スーパーアグリF1チームのマシンベースになることが明らかであり、スーパーアグリF1チームが最後尾に沈むのは当然。
今のHONDAの勢いであればドンケツがスーパーアグリF1チームで、ビリから2・3番目がHONDA・HONDAと「HONDAエンジン」がどん尻の独禁法に抵触しそうなのは明らかであり、HONDAとしては、わざわざニュースバリューのあるスーパーアグリF1チームをサポートして、3台でHONDAエンジンの粗悪イメージを世界中に印象付けるより、HONDAだけで質素にドンケツになる方が、目立たずしてかえっていいだろう。だからスーパーアグリF1チームの支援はしないんじゃないかな?
また、現時点では佐藤琢磨、アンソニー・デビッドソンの両ドライバーとも今季の正式な契約には至っていないそうだ。
名高いスーパーアグリF1チームが出れなくなっちゃうとすると、今年の日本GPは盛り上がりに欠けるんじゃないかなー、と思っていたら開催地の富士スピードウェイも驚く発表をしていた。
2月20日(水)、2008年「F1日本GP開催概要説明会」を実施した富士スピードウェイは、〝観客数削減方針〟を発表した。
確かに昨年、富士スピードウェイで行なわれた「F1日本グランプリ」予選では予選終了後に、会場内のバス発着場と東ゲートを結ぶ道路が、降雨と多数のバスの通行に耐えられなくなり、直径1メートルほどが陥没して通行不能になり、約2万人が4時間半にわたって足止めされる事態が発生。普段は「富士霊園」にお墓参りに来る人達だけが利用し、お花見シーズン以外盛り上がる事のない静岡県駿東郡小山町が大パニックになった。また、海外のF1レーサーからはその視界の悪さの危険性にブーイングが相次いだ。F1日本GP開催以前から、周辺の渋滞対策や観客の移動に関しての懸念があった「富士スピードウェイ」で予想通りのトラブル。富士スピードウェイが天候に非常に弱いF1日本GP開催地として不向きな場所だという事が露見した。
昨年のこのF1日本GPで富士スピードウェイのさまざまな問題点が浮上したから、今年10月にで行われるレースでは、よりスムーズな運営を目指すため、2008年は観客数を制限することにしたらしい。昨年のこのF1日本GP決勝当日は14万人の人々が雨の中でのレースを観戦した。
しかし富士スピードウェイ株式会社の高瀬由紀夫取締役副社長によると、
「2007年よりも観客数を減らし、日曜日は11万人、3日間合計で22万人のチケットを準備します。できるだけ多くのファンの方にF1日本GPを観戦していただきたいという声もありますが、観客数を減らしてでも信頼を回復し、F1日本GPを開催したいと考えております」
との事である。
今年はスーパーアグリF1チームもトラブって出場不可能になり、その結果、アグリ撤退と共にF1人気もかげり、F1日本GP富士スピードウェイレースを見に来る人達が激減するというのを、富士スピードウェイの高瀬社長は裏のルートで知って、先手を打ってこういう発表をしたのだろうか?それにしても2008年は富士だけど2009年はまた鈴鹿でやるんだから(富士⇔鈴鹿で隔年運営)、今年稼いどかなきゃ、小山町の税収に響くだろ。
(※ちなみに静岡県駿東郡小山町は「富士霊園」が唯一の観光スポットだった。もともと富士スピードウェイはあくまでプロ好みの練習場で一般の観客がワンサカ来るところではなかった。その昔「おやまゆーえーんちー」というテレビCMがあったが、あれは栃木県の「小山市」の遊園地。あのおやま遊園地が経営不振で2005年に閉鎖された。入れ代わりに名前だけ一緒で後は非なるここ、静岡県駿東郡小山町という小さな村がF1日本GP開催地という事で注目され、チョイ前にできた御殿場アウトレットモールとの相乗効果、いやそれに富士宮焼きソバも相まって恐ろしいシナジー効果を生み、…F1日本GP開催地になってからはもう、この静岡県の中では「部落集落」のイメージしかなかった―静岡東部の中心地三島・沼津の高校に通う高校生は「小山町出身」と恥ずかしくて口に出せなかった―ド田舎の駿東郡小山町界隈が、今や、利権の巣窟となってます)
しかし、富士スピードウェイも商売だから仕方ないが、こういう時期にネガティブな発表するのやめてくれよな。これじゃ、「スーパーアグリF1チームにスポンサードしても富士スピードウェイが観客縮小じゃ、な…」とかいってますますスーパーアグリF1チームにスポンサー離れが起り、「スーパーアグリF1チームが出ないんじゃ、な…」といってF1日本GPファンの富士スピードウェイレース観戦離れが起り、ネガティブ・スパイラル現象でF1日本GP富士スピードウェイレースもスーパーアグリF1チームも共に沈んでいってしまうよ。
ボクシングの内藤チャンプのチケットが売れなくてダフ屋も商売あがったりだそうだが、今年のF1日本GP富士スピードウェイレースも同じようにならない事をお祈り申し上げます。
ところで、明日は「敬天新聞3月号タブロイド版」の購読者宛・発送日ですが、その中にスーパーアグリF1チーム側からの言い分、SSユナイテッドと言うスポンサー詐欺師と悪徳商品先物会社ばんせい証券との関係などを記載してあります。お楽しみに。
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