告発第3弾

本当に大丈夫なのか!

蟹HI工場跡地(川越市)

2007/11/15

 戦前から帝国火工品製造鰍ェ軍事工場として爆薬を製造していたとされる川越市的場新町21番地の蟹HI(旧称・石川島播磨重工業)の工場跡地で、我々の追及により≪鉛汚染≫があったことが明らかとなった。

 事の発端は「行政が介入し徹底的に調査を行って、安全な土地であることが確認されなければ、住宅地として使用するには危険な土地である」という地元民から我々に寄せられた告発である。

 そこで川越市(舟橋功一市長)に、このような不安を市民が抱いているが大丈夫なのかと質問したところ、担当である環境部環境保全課より帰ってきた言葉が「IHIが自主的に行った土壌調査により鉛の汚染が確認されたが既に対策が講じられたと報告を受けている」だから大丈夫だというのである。

 自主的に行った調査報告にどれほどの信憑性があるのか疑念が残るし、環境部の回答を専門家に話してみたところ「汚染されている可能性が一番高い場所は工場が建っている場所であり、まだ建物が撤去されていない現状で、庭先のみの調査かも知れない報告を鵜呑みにして、市民に安全ですと行政が回答しているとしたら、怠慢で信じがたい回答である」と厳しく指摘している。

 時あたかも、石原慎太郎東京都知事が、大丈夫だと言っていた築地市場移転予定地(江東区豊洲)で追加調査が行われ、地下水から環境基準の1000倍もの高濃度のベンゼンが検出されたことが10月6日開催の「専門家会議」で報告された。この場所は昭和63年まで東京ガスが石炭を燃やして都市ガスを製造していた場所で、副産物として大量のベンゼンが生成されたのだ。

 東京ガスの事前報告では環境基準を十倍を超える汚染は存在しない筈だった。これが恐いのだ。自社の調査が如何に杜撰で、いい加減なものであるかの見本である。この東京ガスの工場は30年に渡り都市ガスを製造していた場所であり、築地市場で働く人達が汚染の危険性を指摘し移転を拒んでいた。

 IHIの工場跡地は戦前からの長期に渡って、しかも都市ガス以上に危険な爆薬やロケットの化学燃料が作られていた場所であるから、汚染の可能性は築地市場移転予定地を遙かに凌ぐ筈である。それなのに川越市はIHIの自主的な調査報告のみを真に受けて「確かに昨年、基準値を超える鉛の汚染が確認されたが対策が講じられているので現在は安全である」と言い切ってしまって良いのだろうか?しかも、このまま何があったのか近隣住民の誰一人として知らないまま葬り去ろうとしているのだ。

 行政が監視の目を強め、市民に対して随時、情報を公表し行き届いた説明を行いながら事業を進めていくことが、不正やミスを回避し、安全で安心な街づくりに発展するのではないだろうか。

 IHIは解体工事の手順や直接工事をする企業名(元請から下請まで)、工事の手法やそれらに使用する薬品等の説明会を直ぐに実行せよ!そして川越市はIHIにどのような行政指導をしているのかを説明せよ!つづく

川越市(舟橋功一市長)は鉛汚染の事実を川越市民に公表し、蟹HIに対する指導・監督を強化せよ!