やっぱり汚染があった!蟹HI工場跡地(川越市)

2007/11/01

 川越市的場新町21番地の蟹HI(旧称・石川島播磨重工業株式会社)の工場跡地が、解体工事をやることにな った。以前からIHIは川越市と処分を巡り調整を重ねていたようだが、どうやら行く末は住宅地として処分され ることになったらしい。しかし、この場所は戦時中、帝国火工品製造鰍ェ長年に渡り軍事工場として爆薬を製造 していた場所である。その後も、日産がロケットに係る化学工場として使用しており、現在に至るまで工場の跡 地は化学薬品で相当汚染されているのではないかと地元では指摘されている場所である。長年川越市で不動産業 を営むS氏は「行政が介入し徹底的に調査を行って、安全な土地であることが確認されなければ、あの土地は危 険だ」と指摘する。また、近隣住民も公共用水の汚染や、自宅の不動産価値に影響を及ぼすのではないかと不安 を抱いている。

 そこで、川越市役所 舟橋功一市長に市民の声を伝え、IHIに対して指導・監督し、 市民の不安を払拭してくださいと申し入れたところ、担当部署である環境部より信じられない回答が戻ってきた 。  環境部によると平成16年よりIHIは土壌調査を自主的に初めており、昨年に基準値を超える鉛の汚染が確認さ れたが、対策が講じられて現在は安全であると言うのである。環境部は県条例に則りIHIから汚染の報告を受け ており、行政として指導も行っていたのだ。ならば尚更市民の不安を払拭する為にも公表するべきではなかった のか。何処がどのように、何によって汚染されていて、それをどのような手法を用いて解決したのか教えること で市民を納得させるべきではなかったのか。しかし、環境部は「既に済んだことだと受け止めており、今後影響 を及ぼす恐れがないものに対して公表する必要はないし前例も無い。法的にも問題は無い」と来たもんだ。 汚染物質が撤去され人体に対する影響は無くなったとしても、精神的に「不安」という影響を及ぼしているでは ないかと指摘すると「そのような意見が沢山出てくれば、また考える」と実に楽観的である。第一疑われている 申告者の話を鵜呑みにしていいものか。

 大きな問題となる前に率先して問題解決に取り組んで欲しいと申し入れてるのに「住民運動などに発展するなど の大きな問題になってくれないと動きたくないよ〜」と言っているようなものである。 IHIが自主的に行った調査の報告を市が受けているだけで、工場跡地で何があったのか不安を抱いている市民が 誰一人として知らないまま葬り去られようとしているのだ。 これではIHIが自主的に行った調査を、市役所のみに自己報告したに過ぎず、何がどうしたのか全く解らないし 、実際に鉛が検出されているだけに、後から汚染物質が出てくるのではないかと懸念が残る。「市民から問合せ があれば、そのつど個々に説明します」と環境部はいうが、川越市の行政としての体質も問わざるを得ない。皆 さんどしどし問い合わせましょう!  これだけ不安が抱かれていた土地で、しかも人体に危害を及ぼす鉛の汚染事実があったのだから、尚さら川越市 民の安全と安心な暮らしを願うならば「市民の不安を払拭する為」というだけでも充分に公表を検討する理由に 足りると思うし、公表するべきだと思う。もちろんIHIに対する監督と指導も当然だが、舟橋功一川越市長の見 解はいかに。つづく  川越市役所は知っていた!蟹HI工場跡地 ≪鉛汚染≫の事実を川越市民に説明せよ!