西松建設鰍ェ

九州建設業界で

総ひんしゅく

2007/10/01

 中堅ゼネコン「西松建設株式会社」(東京都港区=國澤幹雄社長)の九州支店(福岡市中央区=有吉支店長)で、非常識な下請け苛めが横行しているという。そもそも、西松建設はダム・トンネルといった大型官庁土木を得意とする根っからの土木屋であって、不得意とされる一般建設工事の下請け依存率が高いことで知られている。よって、工事のおこぼれを期待する下請け業者が、必然と西松建設の下に群がるといった構図が出来上がっていた。
 親と子とはいえ利害関係で一致した両者関係が、何故、九州支店では下請けの不満が爆発寸前ともいわれるぐらい迄、関係が悪化したのだろうか。
 大きな理由としては、九州支店ナンバー2、別府副支店長の傍若無人な振舞いが挙げられる。この別府という男は、事有るごとに國澤社長から信頼を受けたイチの子分であると自称しているらしい。話によれば、本社役員(常務取締役)でもある有吉支店長を差し置いて、九州支店の実権を握っているとさえいわれている。國澤社長と別府の関係がどれ程親密であるかは定かでないが、下請け業者との関係悪化の原因である別府が、九州支店で踏ん反り返っている現状からすれば、多分そこそこの仲なのであろう。
 しかし、業務に支障をきたす迄、下請け業者を苛める理由は何なのか。下請け業者を押え付け意のままに動かせば、キックバックや裏金蓄財が容易に行なえるとも考えられる。だとすれば、國澤社長が直接に別府に指示を出しているとの懸念も浮上してくるし、地方支店の副支店長でしかない別府の、立場を超えたぞんざいな振舞いにも合点がいく。
 昨今、西松建設は談合その他で「独占禁止法違反行為」による措置要件で、官庁や地方自治体の多くから指名停止等の処罰を受けている。お上から取り上げられた利益を、それならばと下請け弱者から搾り取るつもりらしいが、果たして思惑通りに事が運ぶであろうか。何れにせよ、九州の建設業界では西松建設排除の気運が盛り上がっていることは確かである。