51でも41でも子会社じゃねえか
中西社長(円内)は太っ腹!偽造株券にポンと1億円。女サギ師も大喜び!

 NECのグループ会社株式会社高和による、原町共栄クリーン買収劇には多くの謎があることを前回報じたら大反響があった。これにはNEC内部の役員の対立が色濃く反映され、激しい足の引っ張りあいが展開中というから、欲の皮の突っ張ったエリート達に振り回されないよう、裁判資料を元にマイペースで取材することにしよう。

 我々はNECに対して抗議の街宣活動を行なった。理由はNECグループの一員である高和のあまりにも不透明で不正な反社会的行為に対して猛省を促す為である。
 それに対して5月31日、NEC本社総務部長深沢徹氏より内容証明が当紙へ届いた。

 「高和が原町共栄クリーンを買収した事で当社へ街宣を掛けられるのは筋違いではないか。高和は独立した法人ですので、当社からとやかく言える立場ではありません。それに当社の持ち株は51%ではなく、41%です。当社社長の西垣もこの件には一切関係ありません」とまぁだいたいこのような内容でした。
 我々も根拠も無くNECの街宣をやったのではありません。(株)高和のホームページを見てみれば分かりますが1ページ目に「NECのグループ会社株式会社高和」とタイトルで出ているし、説明文の中に「高和はNECが51%出資している資源回収及びビルメンテナンス専門会社。1969年以来、NECの各工場から排出される産業廃棄物処理と製品リサイクル事業を担当している」と書いてある。NECから役員も何人も出向している。これらを総合すれば表向きは独立した立派な別法人といえるだろうが、一般的にNECから見れば子会社、高和から見ればNECは親会社というのではなかろうか。
 高和が子会社化したと謳っている原町共栄クリーンを1億円で買収したのはいいが、何故この問題はこんなに訴訟が相次ぐのか。

 この会社を売買するにあたって兼松が25億円、朝日建物が23億円、三井建設が15億円、丸紅が11億円と提示され、他に青木屋鉄工、フジタの名前も上がるが結局は出演者の顔ぶれが複雑怪奇であること、見えない負債が多いこと、債権債務が入り乱れている事等、後に犯罪事件に絡む可能性が非常に高いという上場会社としての社会的責任を考慮しての大局的見地から、いずれの企業も辞退したものと思われる。
 これらの前例を見ても分かる通り、高和が1億円で中平明美から原町共栄クリーンを買い取ったというのは真に不自然なのである。

 中平は当時、原町共栄クリーンの売買にあたって、自分の債権額だけでも3億円あると購入希望会社に対して提示していた。本当に高和が1億円しか払ってないなら、寧ろ高和は中平明美に偽造した株券を摘まされ1億円の詐欺にあった、というべきではないか。
 そうであるなら原町共栄クリーンはそれこそ高和とは全く関係ない独立した別法人ということになる。
 高和が原町共栄クリーンを子会社化したという根拠は何なのか。そして実際には売買するにあたって、どれだけのカネを誰に投じたのか公表する責任があるだろう。何故なら本来売買によって利益を受ける立場の人たちの所に金が届かず、関係のない闇の組織の中に莫大な金が流れて消えているのだ。
 だからこそバカを見た正直者たちから提訴に次ぐ提訴を受けているのではなかろうか。

 
 S氏の件

 ところで詐欺師、泥棒、事件屋、暴力団とオールスター豪華キャストが出演する高和―原町共栄クリーン乗っ取り劇であるが、高和に偽造株券を直接売って、高和との売買の当事者である中平明美に債権のある千葉県在住のS氏は債務を支払わない原町共栄クリーン(中西雄三社長)に対して不動産の仮差押命令を申し立てし、平成12年10月10日、福島地方裁判所相馬支部から「仮差押決定」が出ているのだ。
 但しその1ヶ月後、債権者が積んだ5倍の500万円の執行解放金を債務者(原町共栄クリーン)が供託して解除となっている。これでは堂堂巡りで金持ちの勝ち逃げになってしまう。

 内容はこうである。中平悦子こと中平明美に1億円近い現金を貸したが、嘘ばかり言う中平明美に不安を感じたS氏は(株)原町共栄クリーンに一億の債権があるという中平明美所有の債権を譲渡契約した。平成10年11月5日のことである。
 そしてその3ヶ月後の平成11年2月4日に中平明美自身が通知人として、原町共栄クリーン宛てに「債権譲渡通知書」を内容証明郵便物として送っているのである。S氏は原町共栄クリーンも公認の上で完璧に債権が保全できたと思っていたという。
 ところが高和との売買が終れば全額回収できると考えていたS氏だったが、高和と原町共栄クリーンの全株式売買終了後、高和の中西社長が原町共栄クリーンの社長に就任した後も一切の債権が支払われていないのである。

 そこでS氏は弁護士を立てて何度も催告書を出すのであるが、やっと届いた平成12年8月3日付の原町共栄クリーン側代理人(この時点での代表取締役は中西雄三氏)からの回答書に面白い記述がある。
 「まず、中平明美氏から平成11年7月5日、共栄クリーンに対し、債権があるとの同人の要求により、帳簿上も確認の上、同日金5,000万円を支払い、更に残金として金4,450万円を当時の代表取締役であった中平豊氏(注・中村の間違いと思われる)と監査役の塚田竜堂氏に支払い、塚田氏より全て処理したとの報告が入っております。
 ところが、貴社の御主張によれば、平成11年2月4日付にて債権譲渡の通知を当時の原町共栄クリーンにしたとの事ですので、どちらの主張が正しいのか全く判明しておりません。
 貴職の御主張が正しいのであれば中平氏や塚田氏は明らかに詐欺行為をはたらいているのであり、刑事告訴をしてでもことの真偽を明らかにしなければならないと考慮しております
 というものである。

 

 中西と中平はグルだった!?

これってただのポーズ?女サギ師と原町共栄は初めからグルだった

 この弁護士からの回答書を見ると平成11年7月5日に原町共栄クリーンから計9,450万円が中平明美に支払われている。しかしS氏が中平明美から債権譲渡を受けた旨を原町共栄クリーンに通知したのはそれより5ヶ月前の平成11年2月4日である。

 それにしても興味深いのは、原町共栄クリーンが中平明美に9,450万円を支払った、約1ヶ月前の平成11年6月10日に中平明美と(株)高和代表取締役社長である中西雄三との間で(株)原町共栄クリーンの全株式200株が金1億円で売買されているのである。
 通常全株式売買ということは会社そのものを買い取るという意味であるから、事前にその会社の債権債務や財産状況等の調査を行なうのが常識の範囲と思われる。
 ということは(株)高和の中西社長は中平の債権がS氏に譲渡されたことを知っていたと考える方がむしろ自然ではないか、そうであるなら中平と中西社長はグルということになる。

 中西氏が社長を務める原町共栄クリーンの代理人弁護士はハッキリと中平と塚田の行為は明らかに詐欺と認めてるわけだから、詐欺の片棒を担いだ事になりはしないか。
 それに全株式の売買が1億円にもかかわらず、原町共栄クリーンの不動産の全てに(株)高和が16億円の共同担保として抵当権をつけているのも如何にも不自然な気がする。
 確かに中西雄三氏が原町共栄クリーンの取締役に就任したのが平成11年8月31日で、代表取締役に就任するのはその7ヶ月後の平成12年3月31日であり、この詐欺行為より2ヶ月後の取締役就任ではあるが……?

 めまぐるしく変わる役員就任、ハッキリと出てくる暴力団の顔、複雑怪奇な人間模様、色んな角度からの訴訟に次ぐ訴訟、確実にある偽造株券の存在、そしてこの問題のど真ん中にいるのが(株)高和(現シンシア)の中西雄三社長である事は間違いなかろう。
 そしてこの中西氏に全幅の信頼をおいて側面から支援しているのがNECの西垣社長である。NEC内部では(株)高和に対する必要以上の肩入れに対しては要注意という意見もあるらしいが、浮かれトンボになった西垣氏の耳には聞こえないそうだ。
 防衛庁背任事件以来、全社一丸となって懸命な努力を展開中のこの時期に、また新たな火種を抱えた事を一刻も早く気付くべきである。
 かつてはパソコンでは国内シェア1位、半導体では世界2位を誇ったあのプライドを忘れてはいけませんよ。
 ところで、この一連の状況を見破られたのか(株)高和(シンシア)は最近上場を見送られたそうだが、いくら過去の汚れを払拭しようとして名前だけ「紳士屋」と変えたところで中身がかわらなければ、10年経っても上場は認められないと思うよ。

 
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