1月11日付日本経済新聞第1面トップ記事
1月11日付日経新聞第3面

高まる中央三井信託と三井住友海上への不信

 1月中旬から、本紙へ相談と苦情が相次いでいる。1月11日付日経新聞1面トップ記事についてである。

 記事の「リバースモーゲージ」について、中央三井信託へ問い合わせをしてみたが、誠意のない応答をする、質問に的確に答えない、こういった声である。苦情や相談の件数が増えていくので、本紙は独自で調査にかかった。

 中央三井信託を1月下旬に訪ねた。まだパンフレットができていない、とのこと。「3月から販売」と予告をしている。発売まで1カ月しかないとは、今までの金融商品ならあり得ないこと。応対に出てきた行員の落ちつかない態度から不審を感じた。

 発売日まで1週間となった2月21日に電話でパンフレットを確かめてみた。大へん警戒ムードで、こちらから連絡するので電話番号を教えてくれという。きわめて不自然な応答。

 不審を抱いた人たちの疑問点は、多くは共通していて、5点か6点にしぼられる。

 中央三井信託と三井住友海上は、民衆から突っ込まれ、自信を喪失したと見られる。

 
 必ず余る5,000万円以上の処理を明確にしないズルい商法

 相続人がいない利用者=(債務者)が死亡すれば、必ず5,000万円以上が宙に浮くことになる筈だ。

 土地の担保評価額が、1億円以上を絶対条件としている。その5割以内しか触資しないとすれば、必ず5,000万円以上の差益が生ずることになる。この5,000万円以上の処理方法を明確にしない中央三井信託は、信用できない。

 80才に到達するまでの早い段階で死亡した場合、分割の融資実行前の額まであり、大きな差益になる。相続人のいない人物をリバースモーゲージの対象にして5割しか融資しないのは、詐欺にあたらないのか。

 
 地震による家屋倒壊の方策なしとは、恐ろしい片手落ち

 中央三井信託へ問い合わせをした人物が、呆れていた。それを聞かされたわれわれも、中央三井信託と三井住友海上の無責任ぶりに驚いた。

 保険評論家に確かめた。地震保険なるものは、現在は建物・家財とも5割(半分)までが対象だということであった。担保評価額の5割までしか融資しないのは、貸し主の中央三井信託が、自己の保全のためであることが読める。ところが顧客の利用者が、地震で家屋が倒壊した場合、居住するところがなくなる。この商品販売のパートナーは、三井住友海上、保険会社そのものではないか。

 両社とも、顧客のことはあと回し。自己本位の塊ではないか。自分たちの金儲けのために、顧客を踏み台にしようとしている。

 
 及び腰の三井住友海上は地震保険の全額担保が先決

 保険評論家の1人は、損保業界に対し、痛烈に批判する。合併統合など再編成で、各社とも経営力は大きく増強している。それなのに、いつまで経っても地震保険を半分(5割)しか担保しないのは、顧客志向に欠けると叩く。

 しかし例外がある。

 損保業界首位の『東京海上日動』だけは、地震保険を全額担保する超保険を提供するサービス精神が見られる、というニュースである。

 この「リバースモーゲージ」は、融資の担保を土地にすればよい。三井住友海上も、この機会に地震保険の全額担保を新設し、「リバースモーゲージ」利用者の生活を先ず護るべきだ。

 中央三井信託も三井住友海上も、自分たちの利益にばかり意識が仂いて、顧客の利益を忘れてしまっていたような印象を受ける。

 顧客第一主義でなければ絶対に成功はない。

 
 総人口の3〜5%に影響を与えた罪悪感はないのか

 中央三井信託と三井住友海上は無責任集団である。発行部数300万もの、日本の代表的な経済紙の第1面トップ記事を使って、詐欺まがいのビジネスをしようとした例は、おそらくないであろう。

 今日(3月1日)も品川区の高齢者から電話があった。「日経に『リバースモーゲージは3月から販売』とあったので問い合わせてみました。事情があって遅れているというのです。パンフレットでさえ、予定が立たないが、3月末ごろになるでしょうと逃げ腰なのです。あれだけ新聞に大々的に予告しておきながら、無責任ですね」。

 この高齢者は、中央三井信託へ質問をして曖昧な回答だったのでパンフレットができるまで待つことにしたらしい。

 ほんの一部でも、こんな不審を持たれているのだ。

 日本の総人口の3〜5%にも当たる人たちが、あの記事(とくに見出し)に目が集っている筈。顧客志向に欠如し、自己本位な金儲け主義を押しつけるとはあまりにも図々しい。罪悪感は、どのくらいあるのだろうか。

 
 営業停止の罰則を受けた明治安田生命より悪質だ
中央三井信託銀行
 違法な営業活動で、明治安田生命保険が、2週間の業務停止命令を受けた。

 日本を代表する経済新聞の第1面トップ記事で大々的に販売予告をし、第3面の「きょうのことば」まで使って、リバース・モーゲージを説明している。そこまでしておきながら、中央三井信託の、当商品担当者は、疑念で突っ込んでくる民衆に対し、即答ができずしどろもどろになることが相次いだ。未完成の商品を大々的に予告し、このまま発売すれば、顧客との間にトラブルが続発するであろう。

 金融庁は、この2社の顧客志向の欠如した、自己本位な商法の問題点を徹底的に洗い出し、的確な罰則を課すべきではないか。

 日本経済新聞の第1面トップ記事を、1月分1ヶ月分を追いかけてみた。どうしても首を傾げたくなる。連日の第1面トップ記事と比べて、1月11日の見出しが、あまりにも、見劣りすることだ。公正さを欠く印象は否めない。

 もう一つの問題は、担当した記者がフォローアップしないことだ。記事を書きっぱなしなのだ。上司も、担当記者に対して監督をしている気配はない。

 マスコミとしての責任、使命を果たしているとはいえない。
(つづく)

 
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