▼経済界の新年の挨拶を聴いて呆れたね。戦後最大の経済成長で今年暮れには戦後最大の「いざなぎ景気」を抜くってんだから。どこがそんなに景気がいいの?俺の周りにゃ一人もいねーよ。しかも今頃、2002年の1月から景気は上向きでもう4年も上昇を続けているというのだ。確かバブルの頃同じような話を聴いた事がある。

 この4年間の悲惨さはひどかった。だからこそ年間の自殺者は増え続け年間35,000人、予備軍はその10倍もいる、と言われてきたのではないか。そんな世間が苦しんでいる時、誰が成長し何処が景気が良かったんだ?

 この4・5年を振り返って政治では小泉総理が一人孤軍奮闘、古い体質の自民党は確かに壊れたし、流れは大きく変わろうとしている。経済ではホリエモンと村上なんとかという男だけが時流に乗って儲けただけで、あとは悪徳詐欺業者と悪徳弁護士だけが儲けたイメージしかない。俺の知ってる範囲では書き屋も右翼もヤクザも、タコやイカ同様自分の手足を食べながら糊口を凌いでいる。

 こういう時に掌を返して政権交代と共に直ぐさま新しい政権に媚を売れる器用な輩は楽だろうが、時流が変わっている事を読めない、さりとて新政権にも中々馴染めない生き方は、変革が落ち着くまで何をすべきか解らない、いや何をすべきか解っていてもどうする事も出来ないのである。風雪に耐えただ粛々と出番を待つしかないのである。それを考えたら小泉純一郎という男は凄い。自分で嵐を起こし国民の心を掴み、政治の流れや形、あり方を大幅に変えたのだから。

 
▼ライブドアが、今日(1月16日)強制捜査を受けた。「風説の流布」という証券取引法違反である。簡単にいうと「自分に都合のいい噂を流す、相手に都合の悪い噂を流す」という事である。有名になる前頃だから、まだ無茶が通じたのだろう。この新聞が出る頃には確実に堀江は逮捕されてる事だろう。面白い物で今年一番の初仕事がライブドアと堀江への抗議文だった。そして、自宅と会社へ送ったうち、自宅へ送った方の抗議文が「受け取り拒否」として今朝送り返されて来たのだ。面白い因縁を感じる。

 丁度1年前頃、フジテレビを買収するのしないのと天狗になってたホリエモンを、世の中を舐めてはいけない、いつか天誅が下る、と警告していた。捜査しているのが警察ではなく、検察という事はもっと大きな事件に発展するのではないか。大体あんな若造に日本中が振り回されておかしいよ。今一番ショックを受けてるのがフジテレビであろう。マスコミに煽られて、いかにも強力な相手でこのまま行ったら力負けするのではないかと脅され、とうとう屈してしまった。張りボテの虎を本物と思い込み枯れ尾花を幽霊と思い込んでしまったのである。

 その証拠にフジより小さいTBSがライブドアより大きい楽天に買収を仕掛けられて、堂々と受けて立ち全く臆するところが無い。ハッタリと脅しと風説の流布に負けたのである。しかし事件の発展の如何によっては、提携を解消する事は可能だ。しかし、その時はバカな判断をしたフジの経営陣は総退陣の覚悟が必要だ。次は村上ファンドに天誅を下そう。

 
▼ヒューザーの小嶋の国会喚問を見てたら頭にきた。何でもかんでも証言拒否である。1ヶ月前までホラ吹きまくって「早く俺を証人喚問に呼んでくれ」とか、「俺が全てを喋ったら、困る人が出てくるんじゃないの?」とか言ってた男が一切証言拒否である。怒ってみたり泣いて見せたり、役者な男である。

 私の大好きな安部晋三の名前を出して彼の秘書に頼んだという。安部晋三は中国や北朝鮮の非をハッキリと言う。物事に是非は必要である。裁判では白黒をつける。白になった者は喜び黒になった者は怒る、それでも裁判官は決着を付けねばならない。それが仕事だからだ。政治家とて同じ。あっちにもこっちにもいいような態度なんてとんでもない。国民の生命・財産を守る、国益を守る事が国会議員の第一義である。それを中国や北朝鮮の手先じゃないかと思うような言動をする政治家がいるのには驚く。そんな中で安部幹事長の発言は清々しい。

 しかし「壊れたラジオ」の小嶋が発言したように今回耐震偽装問題を揉み消そうとしている一団に安部幹事長が加担しているようなら、これは見過ごすわけには行かない。何故なら耐震偽装問題は詐欺・泥棒に比べて刑事罰的には軽く見えるが、罪深さは何十倍も重い事を自覚して欲しいのである。というのは人が生涯のうちで一番高い買い物こそ家だろうし、一生の宝物こそ家だろう。家族生活の基盤であり、家族の絆の象徴と言っても過言ではなかろう。しかも日本は活火山国であり、地震の恐さは誰もが知ってる筈だ。その耐震を誤魔化して金儲けした奴らだ。一歩間違えれば何十万人もの犠牲者が出る可能性だってある。殺人未遂罪で起訴しても良いくらいだ。

 伊藤公介は間違いなく小嶋の為に国交省(の中の建設省)に圧力を掛けた。三男がヒューザーの専門管理会社の社長をやり、政策秘書がその会社の監査役をやっていると言う。ズブズブの関係で森派に多額の献金をしているという。だから与党をあげて伊藤公介の証人喚問を阻止していると言うから始末が悪い。

 そういえば姉歯に質問した自民党の渡辺無能。あれは酷かった。あんなことをしていたら郵政民営化で大勝した小泉自民党といえども、大ブーイングが起こるだろう。政治家なら誰だって献金は貰うだろう。小嶋から貰ったっていいじゃないか。安い金を貰って小嶋から「飼い犬」みたいに言いふらされたら頭に来るだろう。それにまさか小嶋達がこんな悪質な事をしてた事を知らなかったわけだから(勿論、知っていて献金を受け取っていたら同罪だが)金を貰っていた事はいい。

 今これだけの社会問題になって国民の全てが(右も左も宗教も関係ない)疑いを持って見守っている事件を自民党が、政府が揉み消そうとしているのなら、その驕り昂ぶった態度は神を冒涜するに等しい行為だろう。国民の心を掴み、良くも悪くも古い体質の自民党を壊し、新しい息吹を入れた小泉総理は数十年後には歴史に残る名宰相として間違いなく評価される存在になろう。しかし、その為にはこの事件の政・官・業の癒着の構造を暴き、犯罪に手を染めているものが政治家であれ、身内であれ、捜査当局に協力する姿勢がなければ国民は納得しないだろう。

 
▼大リーグに行った松井が野球国別対抗戦(WBC)の日本代表を辞退した。「来年もっと頑張りたい」というのが理由らしい。誰でも皆そう思っているだろう。俺は野球は余り好きではないし良く知らない(巨人でさえ打者の名前を言えない)から、目くじらを立てる程でもないが、松井には一言いっておきたい。日本代表の監督は、松井の10倍も実績のある大先輩の王監督である。その王監督が「4番の席を空けて待つ」「日本の顔として是非とも参加して欲しい」と最大限の賛辞で待っていたのに、生意気にも断わった。イチローなら兎も角、イチローの半分も実績がないくせに何様のつもりだ。人にはどうしても断われない人、何があっても一肌脱がなきゃいけない人という、お世話になった人がいるものだ。現役選手にとって王監督は正にその人ではないのか。

 大リーグ年俸第1位のロドリゲス選手でさえ、国の権威と名誉のために出場すると言うのに、自己の保身と満足のみしか考えない松井なんか球界から追放してしまえ。子供に影響力ある立場を考えれば、もう少し公人としての高い見識を持って貰いたいと思う。早速悪影響が出た。去年までソフトバンクにいた井口資仁まで、お世話になった球団の監督からの要請を一蹴した。常識のない野郎だ。

 国民があって国が形成されるのは事実だろうが、対外的には国民は国に守られている。国がしっかりしてなきゃ、国民は外国から国際社会から馬鹿にされ、舐められるのである。自分を育ててくれた日本プロ野球界に恩を仇で返すような松井の行為は天に唾する行為であり、いずれ自らに災いをもたらすことだろう。

 
▼子供の頃からスポーツでは何が一番強いだろう?と男は良く考えるものだ。俺は間違いなくプロレスだと信じてきた。子供の頃は皆を集めてプロレスの強さを解いた。俺の自論はこうだった。柔道は投げと締めと関節技だけ、空手は突きと蹴りだけ、レスリングは寝技だけ、ボクシングは殴るだけ、相撲はぶつかるだけだ。だがプロレスはその全ての技を使っていい。スリーカウント内なら反則をやってもいい。他の競技が、これはやってもいいけどあれはダメ、あれはいいけどこれはダメという中でプロレスだけが全ていいのだ。その条件だけでも絶対に有利で絶対にプロレスが一番と信じていた。少し大人になったらプロボクシングだけは別格で他の競技では太刀打ち出来ない、という人がいた。いや相撲の張り手の威力はボクサーのパンチより凄いという人も出て来た。剣道の熟練者に棒を持たせたら、鬼に金棒だという人も出て来た。

 それでもやっぱりプロレスが一番だと長い間信じてきた。それが最近のプロレスの弱さはひどい。どの格闘技に出ても負けるのだ。本気でやったら一番弱いスポーツに成り下がってしまったのだ。昔から八百長だとは言われていたが、あそこまで弱いとは思わなかった。(それでもあそこまで激しく戦うのだから、相当な訓練は積んでいる訳で尊敬はしている)

 力道山がいた昔のプロレスは楽しかった。力の豊登、技の吉村、ゲタの吉の里、頭突きの大木、気持ちの悪い東郷。アントニオ猪木が一番強かった頃なら、今の格闘技のチャンピオンにも負けない気がするのだが、やっぱり八百長だったのだろうか。ジャイアント馬場は嘘っぽかった。だけどルーテーズやカールゴッチは強かった。ヒョードルやグレイシーも強いが、ルーテーズの神技はその力強さをかわす技術があった。昔のプロレスはあんなに強くカッコ良かったのに真に悲しい。大人になったら子供の頃見えなかったものが見えてくる。見たくないものまで見えてくる。月に兎がいた頃が懐かしい。

 
 
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