当紙が追及してきた、社団法人日本臓器移植ネットワーク会長であり、社団法人東京馬主協会名誉会長である小紫芳夫の公私混同ぶり、公金が注がれている団体の私物化に対してようやく世間の批判の目が向けられるようになった。
 と同時に監督官庁や、不正を正すための捜査当局の調査も始まった。
 思い起こせば、というほど大昔の話でもないが、日本中央競馬会(JRA)から年間74億円もの資 金が流れている任意団体・日本馬主協会連合会の会長職を4期8年間続けてきた小紫が、当然5期目も自分が継続するものと傲り高ぶっていた今年2月頃から、我々敬天新聞社は毎週水曜の街頭演説で「移植ネットを牛耳る小紫の公私混同」について追及してきた。
 その効果あって小紫は、平成12年度末での4期目任期切れを理由に馬主連の理事会で続投を拒否され、会長に再任されなかった。
 女々しい小紫は『だったら相談役で残してくれ』と言い募ったが、60余人いる理事たちの誰も相手にせず、競馬会のドンとして君臨してきた馬主連を追われたのである。
 本来なら60数人いる馬主連理事の大半は、小紫シンパのはずだった。だが当紙でも既に報じた通り茶坊主シンパを重用し、巧妙に公金流用、経理関係を身内やシンパで固める恐怖政治そのものの運営ぶりが明らかにされるにつれて、ようやく小紫の呪縛から解き放たれる理事が続出したのである。

 そんな折りも折り、平成13年4月4日付けの加藤豊三(=社団法人東京馬主協会理事)による谷水雄三氏(=京都馬主協会会長理事)宛ての「上申書」が提出された。その内容とは
 「〜貴殿の所有する牧場の一部をJRAの傘下である日本軽種馬協会が購入したとの情報に接した。連合会副会長、京都馬主協会長の地位にある者が、公益法人と利益誘導行為をした潰職行為をするとは許されないこと。そんな不適切取引をする貴殿は連合会長職に相応しくないから立候補を辞退すべし〜」
といった恫喝的なものであった。
 それを読んだ理事達は、前記文章に続く「…そのために小生らは地位を利用した前会長を追放した。小紫名誉会長も、前会長を後継者として任命し…」という部分から、小紫が谷水氏の連合会長選への立候補を断念させる目的で加藤に命じてこの上申書を提出させたと判断。一気に小紫追放、谷水新会長選出へと流れを変えてしまった。つまり小紫は墓穴を掘ったのだ。
 この出来事は、馬主連会長職に対する小紫の執着が如何に凄まじいものであるかを物語っている。
 小紫クン、いやぁ〜残念だったね〜。当紙の糾弾で「このままでは馬主連会長職が危ない」と察したまではよかったけど、次期会長の最有力候補だった=谷水氏(現・会長)に立候補を断念させようとしたのはマズかったみたいネ。
 以前は理事の約6割を小紫派が占めていたらしいけど、今じゃ8割以上が反小紫だって言うじゃない。
 まぁ、身から出た錆びってヤツかな。

 4月から馬主連新会長に就いた谷水氏は、今まで小紫が行ってきた馬主連から移植ネットへの“お手盛り助成金”について即刻中止することを言明。
 それを受けて各公的機関が本格的にこれらの調査に着手し、下段にもあるように6月27日『厚生労働省が移植ネットに立ち入り調査!』と相なったのである。
 それにしても納得がいかないのは、こういった公の機関の調査や査察が抜き打ちではなく、事前に通知があるという点だ。これでは『こんど調査に行くから、見つかるとマズイものは隠しておいてネ』と言っているようなモノだ。
果たして移植ネット本部が重要証拠を隠蔽したかどうかは定かではない。しかし厚生労働省の調査前日である6月26日に、移植ネット理事長=筧栄一氏が、馬主連からの助成先を審議する「連合会社会貢献審議会」の委員辞職届けを急遽提出したのは、とても印象的だった。
 調査されるとマズイ、何らかの責任が自分にも波及する、と感じたからこそ慌てて辞めたとしか考えられない。元検事総長の筧氏でも窮地に追い込まれるとこの程度なのかと思うと、人間は何処まで行っても所詮人間なんだなぁ、とシミジミするやらガッカリするやらの今日この頃なのでありました。
〔つづく〕

 
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