神奈クリ商法

 『神奈川美容外科クリニック』の“毒牙の餌食”となった女子高校生達の悲惨な実態は、当紙先月号で報じた通りである。
 形だけ(偽物でも可)の保護者同意書に加え、クレジット会社を通さず(通せない)に院内割賦契約をもって、女子高校生達に手術を行なう“神奈クリ商法”は、一部の業界関係者のなかでも以前から問題視されていたことが解かった。
 特に、当紙の取材対象者の多くが異口同音に発した「医者としての倫理観が欠如している」とする、手術費用の回収方法に非難の声が集中した。
 一定の収入を持たない女子高校生相手に、僅かな支払いの遅れも許す事なく、最終的には第三者(株式会社オークス)に債権を譲渡するといった情け容赦無い取り立てに、同じ医者として「信じられない」というのである。
 しかも、割賦契約発生から約1年余りのうえ、数万円の債権を売り捌くのであるから尚のことである。

 神奈クリの立場からすれば、手術代の請求は当然の権利であろう。しかし、自らの責任で負う院内割賦契約の債権をいとも簡単に放出する行為は、余りに行き過ぎである。
 神奈クリで手術を受けた患者が、その意志によってクレジット会社との割賦契約を結ぶのであれば、契約後直ちに一括で立替払いを受ける同院にとって、現金払い同様に好ましい筈だ。後は契約締結した患者とクレジット会社に任せておけばいいだけである。
 保険適用外故に、高額になりがちな診療代の支払いに、割賦契約を望む患者が少なくないことで、同院に限らずクレジット会社との提携を集客サービスの1つとして導入している病院が殆どであろう。
 だが、クレジット会社が相手にしない女子高生と、無理矢理割賦契約を結ぶのであれば、支払い遅延等のリスクを自らが被ることになる。
 そして、患者が秘匿にしたい整形手術の事実は、何より優先的に守る事が医者としての責務であるから、その為多少の損害も厭わない心構えが必要とされる。それだけに、院内割賦契約にかかる“責任とリスク”を考えれば、多くの病院が二の足を踏むのは当然なのである。

 神奈クリの顧問弁護士が「未成年者のローン契約はその保護者の承認を受けている」というのが本当であれば、当紙が指摘するような“支払い事故”などは起こりようが無いのである。
 実質上の支払い者である保護者が、娘の美容整形手術代が第三者に権利譲渡されるまで支払いを渋ったり又遅らせるとは、到底考えられないのである。
やはり「内容証明書(債権譲渡の通知)を受け、初めて娘が手術を受けたことを知った」とする、保護者の言葉に真実が有ると言えるのではないか。

 一般的に第三者への債権譲渡は、自己回収が困難であるときに用いられる手段とされているが、実際は債権を買い受けたオークスはその全てを難なく回収しているのだ。
 資金確保等の理由で保有債権を現金化する事は有りがちだが、神奈クリが保有するそれは“整形手術代”の院内割賦契約という特殊なものであり、第三者との間で売買されるものでは無いはずだ。
 この事は、神奈クリが他の病院が手を出さないでいる未成年の顧客を得たいがために、医師に課せられた秘匿義務を無視してでも利益追求に走る体質であるとの、確たる証明であると言えるのではないか。

こんなのが送られて来た日にゃあ、ご両親もさぞかしショックを受けるだろうなぁ。
 
 きっかけは男のナニ!?

  この“極悪非道”な経営方針を打ち出し、全国31の分院を束ねる支配者が『神奈川美容外科クリニック』医療法人社団博美会理事長=山子大助(いい歳で未だ独身)である(今月上旬就任)。
 法人の設立は平成8年であるが、当初は男性の泌尿器形成外科を得意とし、来る日も来る日も男性のナニを摘んではメスを振るっていたそうだ。
 そんな日々に嫌気がさしたのか、女性の美容整形にも進出するのだが、これがまさかの大当たり。瞬く間に業界トップに躍り出たのである。
 しかし、急速に病院を開業していったせいか、腕の立つベテラン形成外科医の確保がままならず、アルバイトの医者に頼るようになり、その結果、明らかな医療ミスが頻繁に発生しているとも聞く。

 現に東北某県に新設したクリニックでは、年中無休を唄いながらも常勤の医者を据えられずに、予約患者を特定日に集中させるなどして急場をしのぐなど、監督官庁に届け出た診療内容とは全くかけ離れたものになっている
 しかし、何故これら違法紛いの行為をしてまでも、山子大助が営利追求に突き進むのかが不思議でならない。何故なら、山子は2年前の高額納税者番付けで、並み居る資産家・実業家をおさえ、堂々全国7位(7億8,000万)の納税額を誇る大金持ちだからである。
 なにも、か弱い女性(それも女子高校生)を喰い物にしてまで稼がなくともいいと思うのだが……。

 

 マザ○ン

多くの女子高生が餌食となった神奈クリ目黒分院。未成年から巻き上げたゼニで、こんな瀟洒な建物を建てやがって…(約4〜5階建て)

 山子に近い関係者の話によれば「山子が無茶する理由は唯一つ。彼が敬愛して止まない母親に認められたいからじゃないの?」と、意味有りげに語っていた。
 医療法人理事長の地位に加え、有り余る資産を手にしながら『大好きな母親以上の女性』に未だ巡り逢えず、頑なに独身を通している“屈折した女性観”こそが、この男を突き動かす原動力になっているのかもしれない。

 そんな山子は、最近では文化人としての側面も垣間見せている。全国各地に23の支部を要する『日本モンゴル親善協会』(千代田区六番町)の副会長に就いているのだ。
 モンゴルといえば、旭鷲山関を筆頭に大相撲力士の宝庫だが、アチラの世界では“デブ専”なる趣味嗜好の方が多くいると聞くが、まさか独身貴族の山子先生が、実は……ってことはないよネ。
 さて来月は、元神奈クリ勤務医A氏の赤裸々暴露ネタでも書こうかな。
〔つづく〕

 
トップページ教育・医療・福祉関連一覧
©2005 敬天新聞社
info@keiten.net
 
s