やはり当紙の報道は正しかった。と言うと手前味噌になってしまうが、事実だから仕方が無い。 言うまでもなく移植ネットとは、ドナー(臓器提供者)から摘出した臓器をどのレシピエント(移植待機患者)に移植するかを決定する機関であり、このような臓器の斡旋を我が国で唯一認められている団体である。 例えば、移植医Cが臓器の斡旋に携わり、順番から言えばレシピエント患者Aに移植される筈だった臓器を、自分の担当するレシピエント患者Bに配分するよう便宜を図ったとしたら、公平などとは到底呼べまい(もちろん患者A,Bの血液型やその他の条件が同じだったと仮定した場合)。 |
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医療倫理とは? | ||||
とまぁ、ここまで言ってしまうと大袈裟に聞こえるかもしれないが、現に移植先進国アメリカでは、臓器の売買を合法化すべきであるとか、公平の原則を取り払ってドナーがレシピエントを自由に指名出来るようにすべきだ等の意見も出始めている。 いや、既にアメリカよりも一足お先に実現していると言えなくもない。 |
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中立性崩壊を招いた張本人 | ||||
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ しかし、少なくとも現段階で臓器提供の意思を示している人たちは、公平に臓器が分配される事を前提として臓器提供意思表示カードに記入しているのだ。 既に当紙昨年9月号でも報じた内容だが、移植ネットが発足した当初、厚生省(現厚生労働省)は太田和夫(元東京女子医大教授)という人物を移植ネット理事に推していたが、小紫芳夫(移植ネット会長)の猛反対で却下されたというエピソードがある。 |
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虚偽・改竄のチームプレイ | ||||
さて、東京女子医大で起きた心臓手術ミスによる小6女児死亡事故について。 亡くなった女児は昨年3月2日、心房中隔欠損症の治療の為、東京女子医大付属病院(林直諒院長)で手術を受けた。 遺族は今月8日、手術チームの医師ら5人を業務上過失致死容疑で警視庁に刑事告訴。翌9日、厚生労働省と東京都が同病院に立ち入り調査を行った。 冒頭で述べた■■■■■■■■■■■この医療ミスによる死亡事故も、根底にある原因は共通している。 |
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本紙第1報から約8ヵ月後、 「厚生労働省の検証会議(座長・藤原研司埼玉医大教授)は、『レシピエント選択などは公平かつ適正で問題はない』と評価する一方、日本臓器移植ネットワークの中立性を損なったという批判に対し『社会の不信感を払拭するルールを作る必要がある』と指摘した」 ということを報じる、平成14年5月16日付け東京新聞 |
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