マムシ谷で暗躍するマムシの正体とは?
とうとう被告にまでなってしまった瀬在総長

 「日大執行部と鹿島の談合が明るみに出た後も、相も変わらず主婦の友跡地は解体工事が進み、地上げが進行している。公権力の捜査が入らない限り、当事者達は必ず「そういう事実はございません」と否定する。日大の場合、内部から真相究明委員会ができないのが残念であるが、文科省や国税は確実に動いているから一定の行政処分や事件には発展するだろう。

 某コンビニ店から送られたという説がある実弾も、犯人逮捕は時間の問題だろう。

 さて今回は野崎の後盾に瀬在総長、裏で支えているのが篠崎芳明弁護士、という図式に加えてそれをもっとも利用し陰で甘い汁をたっぷり吸ってきた(今も吸っている)山内二夫元生物資源科学部局長を中心に話をすすめよう。

 門田定美同学部長が、生前「教職員の給料でどうすればあれだけの家が建てられるのか」と不思議がったという程の大田区にある山内氏の自宅を、近所の人は「日大御殿」と呼んでいるらしい。筆者にこの話をしてくれた学内関係者によると、他に世田谷区梅ヶ丘にも家があり、ハワイにも別荘があるらしい。だから日大の場合、みんな事務局長になりたがるのである。

 本紙に送られてきた資料によると、滝之沢地区整地工事、焼塚地区整地工事に関しては、当時も山内二夫元局長の責任問題まで発展したらしいが、あくまでも「滝之沢整備調査委員会」が学部内教授会の真相究明調査会であった為、完全なる真相を究明できなかったのである。学者一筋のヤワな教授連中が5、6名束になったところで、海千山千の手練れで、日大御殿の主になるような男に勝てるわけがない。

山内元局長のロボット?野崎常務理事

 住民からの苦情が産業廃棄物の埋め立てに対するものであるにも拘らず、住民の調査立会いを拒否する山内二夫局長の態度に、調査委員会の一人が「対応を誤ると本学部と地域ならびに藤沢市との関係も危ぶまれる」と懸念し本部へ報告したが、本部からの回答はなかったという。山内二夫君が手を打っていたからである。

 産廃物をどの位埋めたのかはこの資料からは不明である。何故ならダンプ5台分は発掘した、と委員会は発表しているが、発掘作業業者が埋めた業者と同一業者である為、故意に違う箇所を掘った恐れがあることを委員会も疑っている。

 委員会はこの問題が表面化した時、当然のことながら調査委員会の指定する業者による産廃の発掘を希望した。しかしこの話も山内氏自身に拒否され、結局産廃を埋めた当事者である(有)中村商会が行った。中村商会という産廃屋は契約書も作らないで、マムシ谷(校地南側生物資源生産実習センターから牛舎一帯は約15mくらいの谷になっていて、こう呼ばれているらしい)一帯に残土を埋め立てたり、校内の土を他へ排出したりした業者である。勿論中村商会の社長は調査委員会の事情聴取に「大学側の指示によって廃棄物を埋めた」と証言している。
 どの位の廃棄物が埋まっているのか、それがどれだけの公害につながるようなものなのかはわからない。

 
 産廃の埋立てで最終的に儲けたのは誰だ
問題の滝之沢地区。富士見台というだけあって雄大な富士を一望できるが、地下には金銀財宝ならぬ産廃物が眠る
通称マムシ谷。ここに暗躍するマムシは、冬の間は冬眠せずにハワイの別荘で過ごすらしい
 山内氏自身は教授会で質問に答え「竹の根を埋める為に穴を掘った。その折に壊した小屋のコンクリートと、その中にあった自転車を埋めたかもしれない」と答えているが、出てきた物は建築資材、ゴムタイヤ、浄化槽跡らしき物、瓦礫、コンクリート破片、ポリエチレンの可撓管が中心で、根っ子の類は少なく自転車は出てこなかった。

 勿論、埋めてはいけない物を大学の敷地内に埋めたことも懲罰規定に抵触する問題であるが、もっと悪質なのは教授会執行部の承認もなく局長独断で行い、収支報告が一切提出されていない点であろう。

 この点について当時の管財課では「学部より経費の支出もない為、工事について契約は締結しなかった。また(有)中村商会より、滝之沢地区整備工事を学校の負担なしでやってよいという申し出があった」と報告書で答えているが、校地内に穴を掘って土を売れば業者は儲かる。当然土を売った大学に利益が入らなければおかしい。

 或いは校地内の大きな谷地に残土を搬入させれば、業者はこの工事から残土処分場として利用することによって多額の利益が見込まれる。当然大学側に利益が入らなければおかしい。

 工事の規模からいって、また学校法人という性格からいっても、一定の契約書を交わす必要性があったのは当然だろう。表向き無償と称して、その実裏では特定業者に莫大な利益をあげさせるというのは、民法570条にいう「売買の目的物に隠された瑕疵があった場合、売主は瑕疵担保責任がある」に抵触していないだろうか。相当なキックバックが山内二夫君に入っただろうことを下衆は想像する。

 近隣住民の苦情も受け付けず、教授会の指導を断わってまで業者との癒着を最優先した山内二夫君の行動は当時、生物資源学部にとっては大きなマイナスに作用したことだろう。少なくとも学部で職員のトップに立つ事務局長の行動とは思えなかった、と当時の関係者が語ってくれた。

 焼塚地区(=通称マムシ谷)は牛舎、豚舎から排出される尿を谷底に放出し、悪臭が漂い、あまり学内の教職員の立ち入らない場所であったが、藤沢市の道路計画で善行・長後線の工事が現在の横須賀水道道路を拡張して着工することになり、その道路に面する谷地を整地(盛土)して、学部長の将来計画である動物ランド、植物ランド構想の最適地としての本計画を実施することにしていた場所であり、とても山内二夫元局長独断で決定できる事項ではなかった筈だ。しかも業者選定も独断、収支も報告しないというのはあまりに軽率で不自然ではないか。

 産廃の埋め立てと盛り土の埋め立てが一緒になって読者にはわかりづらくなってしまったが、滝之沢地区という所が「平地に穴を掘り、どこからか産廃物を運び入れ、良質の土を何処かに売った場所」で、焼塚地区(通称マムシ谷)というのが「残土処分場として、他から捨て土を埋め立てさせ盛土した場所」ということです。

 
 訴えられた篠崎弁護士

 この山内二夫氏こそ野崎を操っている張本人、との声もあるが、鶴高グループが次期総長選に担いでいるのが生物資源科学部の学部長で副総長の佐々木恵彦氏である。東大出身の優秀な学者であることは周知の事実であるが、彼を学生時代から知っている人の話では学生時代は中核派で活動していたらしい。

 また、鳴り物入りの総長推薦で常務理事になった松田慎一郎氏の究極の仕事は主婦の友跡地を特区に申請することだったそうだが、結局許可が下りず、何の為の常務理事だったのか、と内部からも非難の声があがっている。松田常務、短い間でしたが貴方の役目は終りました。ごくろう様でした。

 ところで、紙面を大幅に割いて「勧告書」なる文書の写しを掲載したが、ハッキリ言ってこの文章は何度も読み返さないと作者の意図が解かりづらい。文章表現の上手い人と上手くない人、話が上手い人と上手くない人等、人にはそれぞれに得手、不得手がある。ただこの人物は、実名の内容証明で森田理事長宛に「勧告文」として送っている。その勇気と行動力は称賛に値する。

 残念ながら本紙に届いた時は名前の部分は消されていたが、是非名乗り出て欲しいものである。

 この作者が言わんとしていることは、生物資源科学部に右翼の街宣車が来て、山内事務局長と大学執行部を批判する抗議行動があったが、「それを手引きしたのが職員のA氏で、そのA氏に依頼したのが原告の稲田俊信教授である」と決めつけ、この2人を無理やり辞めさせた(不当解雇?)ことを認め謝罪せよ。そして2人の名誉回復をせよ。

 取り調べた検事も、A氏や稲田教授は一切右翼には関係なかったと言い、そのことを野崎や山内は知っていた筈なのに、そのまま2人を首にしてしまった。こういう理不尽が日本を代表する最高学府の中で罷り通っていいのか、ということだろう。

 糾弾されるにはそれなりの理由があろう。しかし濡れ衣を着せられたまま職場を追放された者は堪ったもんじゃない。しかも途中から2人は「犯人じゃない」ことが判ってきたにも拘らず、である。

 間違いは誰にでもある。謝罪することは恥ずかしいことではないのだ。しかしエライ人は発想が違う。

 「ここで間違いを認めれば俺の沽券にかかわる」と錯覚して、人生を棒に振ったり晩節を汚したり見切り千両が読めないのである。

 この問題の特筆すべき点は、弁護士である篠崎芳明氏が総長や理事長に混じって訴えられていることである。しかも訴えている相手(原告)が身内の日本大学の教授であることを考えれば、篠崎氏の場合、日本大学の顧問弁護士でありながら如何に執行部の中に食い込んでいるのかが良くわかる。

 これで、よい子のみんなも「弁護士と言っても、義憤に燃えて不正や不条理と戦う熱血漢もいれば、そうでない者もいる」ということが、よ〜く解かったと思います。皆さん、職業などの肩書きに惑わされず、物事の本質(その人物の人間性)を見極める目を養いましょう。〔以下次号〕

 
 
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