(敬天新聞令和7年6月号 1面)
創業者の末路 |
弊紙で薬疑惑を追及していた大手不動産会社(株)レーサム創業者で元会長の田中剛が、麻薬取締法違反および覚醒剤取締法違反の疑いで、ついに5月12日に逮捕された。同時に奥本美穂という女も逮捕されている。
逮捕容疑は昨年6月24日、東京・千代田区大手町の高級ホテルの一室で、奥本美穂と共にコカインと覚醒剤を所持していたというものだ。当日はホテル内でトラブルを起こし、通報を受けた警察官が現場に急行。その後、室内を捜索したところ、ベッド付近からコカインや覚醒剤が押収されたということだ。
田中を巡ってはすでに昨年8月、別の女性が不同意性交で告訴状を提出しており、薬物と性的暴行に関する捜査も進行中だった。
しかし、その女性も一緒に覚醒剤を所持していたなどとして、後から逮捕されている。
この女性は、事件に巻き込まれた経緯を、告訴状に詳しく記していた。弊紙も取材の過程でPТSDを患ったとする医師の診断書を確認し、告発状と共に紙面で公開していた。女性は自分が逮捕されることも厭わず田中の悪事を告発したものと思われる。
弊紙には他にも、元AV女優で有名らしい「ひなたまりん」が、同様のトラブルに巻き込まれたという情報や、レーサムで田中と旧知の仲である一部の役員が、田中の薬と性癖を黙認していたとの情報も寄せられていた。この際、捜査当局には、田中の過去の行動や周囲との関係性を含め、詳しく捜査を進めてほしい。
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すっかり容姿が変わった逮捕時の田中剛レーサム元会長 |
取り巻きの罪 |
ところで、田中がレーサムに在籍していた時代に下請けだった(株)リョーズワークス(港区白金台)の田中亮社長や、田中の行きつけの銀座クラブО(オー)の西川えりかママが、薬や裏金や女性のアテンドに誰よりも詳しい関係であったという情報提供があったので、弊紙は取材を試みたが、いずれも回答が無かった。そういった関係者の沈黙が返って疑惑の根深さを印象づけていた。
田中は、創業者利益として数百億円を得たとも噂され、その資金を仮想通貨などを通じて国外へ流出させようとしているとか、中東・ドバイへの移住や薬物規制が緩い国への移住を計画していたとの情報も流れていたが、それも今回の逮捕で幕を下ろすことになるだろう。
レーサムは弊紙の取材に田中について、「すでに当社とは無関係な人物」として一切の関与を否定しているが、在任当時の薬物疑惑が事実ならば、会社ぐるみでの黙認や隠蔽の疑いすら出てくる。 もし過去の役員が問題を把握していながら見過ごしていたのであれば、ТОBにも影響を及ぼしかねない重大な企業倫理問題だ。
今回の逮捕劇が、単なる個人の転落にとどまらず、業界全体のコンプライアンス体制を見直すきっかけとなるのか。それとも、またしても「有名経営者のスキャンダル」として風化していくのか。今後の捜査と社会の目が試されている。
弊紙に届いた4月の投書