(敬天新聞令和6年3月号 1面)
苦境に立つ岸田文雄首相 |
政治不信は国難 |
世界情勢が、国際的な出来事や政治的な動向、経済の状況、地域紛争など、複合的な要因で非常に変化しやすいものと成っている。
我が国の平和と、国民の安全を保つ為には、国際機関の動向に注視し、政府が迅速に対応することが重要である。その為にも、国権の最高機関である国会が、主権者である国民の意思に基づいて、誠実に機能しなければならない。それが社会の秩序を守り、安心できる生活を維持するはたらきとなる「政治」だからである。
ところが、今の国会で集中審議にまで成っている議題といえば、自民党派閥の政治資金パーティー収入を巡るキックバック裏金問題や旧統一教会との不適切な関係といった情けない事ばかりである。
週刊誌やワイドショーと相互関係であるかのように国会で、結果の伴わない政治倫理審査会だの不信任決議案だのという茶番劇が繰り返されているのである。与党は勿論のこと、この状況下でも支持が延びない野党にも猛省を促す。
日本経済の低迷が言われて久しいが、岸田政権の支持率低迷は国民生活に直結する国難級の問題である。
支持率の低迷もさまざまな要因が影響するが、一般的な要因というのは、政府の具体的な政策や、政策の実行に対する国民の不満によるものだ。
日経平均株価がバブル期並みに上がることより、実質賃金が上がらない経済状況の方が庶民の関心は高いのである。それが社会的な不安要素と繋がり、政府の支持率に影響を及ぼすのである。
今の岸田政権は、これに政府内での不正や不祥事、自然災害や緊急事態の対応などが加わり、20%にも満たない支持率低下に繋がっている。
嘗て世界2位だった日本のGDPは4位に転落したが、希望ある元気な日本を取り戻す為に、政権が支持率を上げ、国の内外で信頼を向上させなければならない。
それには国の内外で有益な政策を効果的に実行し、国民の期待に応えることが重要である。国内では良好な経済状況や雇用の安定を計り、国外では、国際的な舞台でリーダーシップを発揮し、信頼される存在になることが政権浮揚につながるのだ。
石破茂元幹事長 |
小泉進次郎元環境相 |
河野太郎デジタル相 |
高市早苗経済安保相 |
次の総理候補 |
そう考えると、残念ながら岸田政権は最早末期といえるから、この際、ポスト岸田を考える時期である。そんな折、週刊誌や新聞各紙が「次の総理に相応しい人ランキング」について世論調査の結果を報じるようになった。
報じられている意見は主観的であり、価値観の違いや政治的な立場によって異なるが、産経新聞やJNNの世論調査で共通しているのは、ポスト岸田で名高い一位の石破氏、二位の小泉氏、三位の河野氏の間に割って入り、急速に知名度を上げているのが上川陽子外務大臣である。弊紙も上川大臣が総理に相応しいと思っている。
自民党の麻生太郎副総裁の毒舌を軽く受け流して注目を浴びて以降、国際舞台での外交や国際協力における優れたスキルが注目されている。
東京大学教養学部教養学科、ハーバード大学ケネディ・スクールで学び、政治行政学修士号を取得し、アメリカ合衆国議会で上院議員の政策スタッフを務めた経験もあるという。三菱総研の研究員やグローバリンク総合研究所の代表取締役という社会人としてのスキルも高い。
第3次安倍第3次改造内閣では、法務大臣として、オウム真理教事件で死刑が確定した教祖の麻原彰晃(松本智津夫)ら死刑囚13名の死刑執行を命令したことで世間の耳目を集めた。
国のトップには、危機的状況において冷静かつ迅速に行動できる強いリーダーシップが求められる。経済、教育、環境など様々な分野で提案された政策を効果的に実行できる力も必要だ。国際舞台での外交や国際協力においても優れたスキルが求められる。
コミュニケーション能力があり、政府の施策や方針を適切に説明できることも重要だ。
上川陽子大臣は、学歴といい、社会人経験といい、法務大臣時代の胆力と決断力に加え、人情味もあり人望も厚そうだ。
第1次安倍改造内閣では少子化対策・男女共同参画担当大臣も務めている。他の自民党女性議員の先駆けになるべき人物である。と弊紙は思うが如何か。
えっ? 保守層に人気の高い高市早苗大臣も、東京都民に人気がある小池百合子知事も侮れないって? さぁ〜どうでしょう。
上川陽子外務相 |