オプション投資詐欺と元・全日本バレー選手

敬天新聞9月号

加害者が仕切る被害者の会

 E&D匿名組合・M&M匿名組合という関西拠点の詐欺ファンドがある。ファンドの代表は坂口大学という人物で、元全日本バレーボールの永山恵美子という女も深く関わっている。
 コンサルタント「トライネオスコンサルティング・桃井朋成(携帯連絡)」と弁護士「中田良成」によって作られたE&D被害者の会もどき事務局に牛耳られ、債権回収まがいの行為が、今、行われている。
「もどき、まがい」と表現したのは、被害状況の説明会も開かれ通知も届くのだが内容が雲を掴む話であり、回収した資金は弁護士費用や必要経費で全て消えて行きそうであり、被害者の中には本当に債権回収しているのか疑わしいと思っている人もいるからだ。
 何よりこの被害者の会もどきは加害者であるE&Dが主体なのだ。コンサル桃井と弁護士中田はE&Dに雇われており、郵送に使われる封筒や書類全てE&Dのものだ。
 コンサル桃井は挨拶で「私は加害者に雇われましたが当加害者は誠意をもって弁済しようとしているので被害者の皆さん頑張りましょう」と訳の分らんことを言い告訴させないよう画策。投資詐欺の加害者が被害者を集め、救済を図ろうと献身的に振舞いつつ、実際は被害者を抑圧し発言を封じ込めている。
 弁護士中田はE&D一派を告訴しない理由を、「告訴や民事裁判をすると回収できなくなる、過去にもこの手の詐欺事件では、告訴して詐欺事件がマスコミ沙汰・表面化してしまった為に債権回収ができなくなった」からだと述べている。加害者が雇用主だからこの詐欺を詐欺事件として告訴する心算はゼロだろう。
 当然、被害者の人達は「おかしいな?」と考えた。しかし個人の力ではこの手のヤカラには太刀打ちできない。そこで本紙に告発情報が寄せられた。
 この詐欺ファンドは、「オプション投資に対するファンド」という謳い文句で資金が集められたが、現実にはオプション取引という相場の中でもかなりリスクのある投資は行われていなかった。
 このファンドで集められた金は株式会社ジャルコ(代表・林恒夫)という法人に投資運用委託した形になっている。
 投資の失敗と思わせるためか、「投資金は全てジャルコに投資しジャルコがそのまた先に投資して、そいつらが詐欺師だった」と言っている。
 また、「ジャルコの林が日経225や株式の現物投資をして毎月数千万円の取引をしていた」と説明。林も投資で稼ぐはずだったとでも言いたいのか知れぬが、会社で預かった金を個人で「現物株投資」してたのなら、運用とは言わない、横領である。オプション投資ファンドと謳いながら、オプション取引の片鱗さえ見当たらないのだから、詐欺の意思ありと断定してよいだろう。

被害額百億と加害側が公称

 E&D匿名組合側は「このファンドの被害金額は一〇〇億円近くに上り被害者は一〇〇〇名」と被害者に伝えている。
 ジャルコ林から既に被害金一〇〇〇万円は回収したが、この回収資金は「皆さまのために」弁護士費用他の経費としてすべて使われるそうだ。
 永山はこのファンド詐欺の他にも、アクロス投資事業有限責任組合という名称で、長い間、未公開株詐欺紛い商法を行っていた。そして一年ほど前から返金請求を未公開株を購入した被害者達からおこされ続けている。
 投資資金として集めた金など片っ端から経費に消えるのが未公開株販売業者の常である。永山はE&D・M&M匿名組合のオプションファンド詐欺だけでなくアクロスの未公開株詐欺でも、返済に窮して告訴・詐欺事件化すれば逃れようはなくなる。
 E&D側は後の説明会では、オプション投資ファンドとして集めた資金は全額をジャルコ(林恒夫)に投資運用委託、林はそれを篠原、沼澤、平田、増田という詐欺仲間に再投資運用委託したと言っていた。
 しかし金を集めていた時点では再投資運用委託などの話は一切せず純投資としてのオプション取引投資を公言していた。
 それが昨年九月の配当支払遅延の言い訳として、「当組合の運用先がオプション取引が上手く行かなくて投資金の配当支払が遅れています」などに変わりはじめた。
 お仲間のジャルコ・林恒夫からE&D匿名組合に宛てた「詫び状」まで添付した案内状を被害者達に送った。被害者らは「そうかオプションの運用が上手く行かなくなったから、その資金を『海外(投資)プログラム運用』に切りかえたのか?またイチから投資がスタートした事になるから、配当が遅れるんだ」と素直に思ったそうだ。
 詐欺師連中は現実のオプション相場など張った事がなくオプション取引のシステムさえ理解していないハズだ。
 もしもっと早く、E&D詐欺事件の情報を得ていたらオプション取引に「ちょっと調子が」なんていう状態はない。調子が悪けりゃ『投資額の数倍が吹っ飛んで一円たりとも残らない』んだよとE&Dにツッコミを入れ、詐欺師達のバケの皮を剥がす事ができたのに、と思うと残念だ。


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