ウィルコの心身障害者用低料第三種郵便物制度悪用と人権+「検閲」

2008/12/26

 十二月二十四日、日本郵政グループの日本郵便が「心身障害者用低料第三種郵便物制度悪用」の実態を公表した。心身障害者用低料第三種郵便物制度を悪用し営利目的の広告宣伝DMを「低料第三種郵便物」と偽装した詐欺DMの発送件数が去年の四月から今年十月までの1年ちょっとの間でさえ一億五〇〇〇万件近くあり、五十億円近い割引料を儲けていた。通信販売と名簿屋が商売の東証二部上場企業ウィルコ(若林和芳社長)の不当利得も、結局、本紙が「許せん」と抗議していた三〇数億円どころじゃなかった。

 昨日、二十五日、ウィルコの若林和芳が社長辞任を表明したそうだ。業績不振も理由に挙げているが、今まではこの心身障害者用低料第三種郵便物制度の悪用のお陰で儲かっていた訳で、「業績不振」はこれからの話だろう。願わくば「社長を辞任して会長となります」なんていう寝ぼけた茶番劇は演じないで頂きたいと思っていたら、若林一族が大株主として実権支配するウィルコであるから……若林は単にウィルコ会長になっただけだそうだ。「社長→会長」???これで、反省?

 これでは何も変らない。本紙の糾弾も、引き続きウィルコ・若林一族が本当に反省し切るまで、延々続けるだけである。
 日本郵政が把握している心身障害者用低料第三種郵便物制度の、少なくとも8割が「悪徳利用」されていた。
 なのにマスコミの多くはウィルコや大手広告代理店博報堂の悪徳追及より、「日本郵政がズサン」という方向にばかりベクトルが向いている。

 更に被害者としてウィルコらの悪徳を責めるべき筈の日本郵政まで、本紙が日本郵政前で抗議し続けた通り、「不当利得は返還請求する」といいつつ「いやー、郵便事業会社のズサン体制を今後改めます」といった自虐的なマスコミ対応に終始してしまっている。詐欺紛いの行為をしたウィルコらを、もう少し断罪してもよいようなものを告訴を検討するといって本当にするのかしないのか?
 まさか、代表者が形上だけの辞任で社長から会長へ移行するだけで本当に許してしまうつもりか?

 マスコミとしても、ウィルコ若林の若林社長は会見で「ご迷惑をおかけしました経営者としてけじめをつけました」といって、なんのケジメも付けていない現状で終幕としてしまうのか?
 若林を6ヶ月間だけ月給の3割削減、役員や営業本部長らを1〜2割削減にとどめたその理由は、十月の連結決算の3億8千万円の赤字の責任としており、あくまで心身障害者用低料第三種郵便物制度の悪徳利用を反省しての減給ではないそうだ。ならば、「社長→会長」という肩書き変更以外は何もしていないのと同様。

 ウィルコは加害者の自己保身であるから裁きを受けるまで逃げ回るのは理解できる。被害者であるはずの日本郵政はこれでいいのか?
 今回の件、心身障害者団体などが表に立ち人権問題の点で色々あるというのかも知れないが、詐欺告訴しきれない日本郵政・日本郵便の釈明こそ、この詐欺紛いの不当DMのネックである。

 日本郵政いわく、
「内容を『検閲』にならぬよう露骨な違法がない限り拒否できない
だそう。

 ウィルコを始めとした通信販売会社、DM屋、広告代理店がつけこんだのは、この『検閲』を恐れる点がネックなのだ。
 日本郵政が人権問題≠フ聖域といえる「障害者関係の書物」に検閲″s為をしてしまったら憲法問題≠ノされる。
人権・検閲≠ニいう日本国憲法の基本的人権を揺るがしかねない問題により「思想の自由・通信の秘密・表現の自由を侵害した」と言われるのを極端に恐れる、お国方の日本郵政グループ、「郵便局」のアキレス腱を知っていたからこそウィルコらは堂々と広告宣伝DMを障害者団体発行有料刊行物と偽装し続けたはず。

 日本郵政が、この先もウィルコらを確信犯として告訴しなければ、ウィルコは「郵便局の不作為で知らずに割引サービスを受けていたのに、違法だと後で知って、悪徳呼ばわりされた上に追加料金を取られて不服を感じる哀れな被害企業」で終る。日本郵政はウィルコにそこまでしてやる義理や負い目や大人の事情があるのか?

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