IR汚職で証人買収罪の淡路明人は仮想通貨詐欺?

(敬天新聞 令和3年6月号 1面)


IR汚職事件

色々事件があり過ぎて、もうすっかり忘れられた感があるが、カジノを含む統合型リゾート(IR)事業への進出を目指す中国企業側から、現金などを受け取ったとして収賄罪に問われた衆議院議員・秋元司被告の初公判が3月29日、東京地裁で行われた。

裁判官から職業を問われた秋元被告は、「衆議院議員」と答えたというから、まだ現職の国会議員であり、歳費が支払われるということを忘れてはならない。

参議院選挙を巡る買収事件で当選無効と成った河井案里や、今月18日に判決が言い渡される河井克行(議員辞職)にも言えることだが、買収容疑などで逮捕・拘留された国会議員は議員活動が出来ないのだから、歳費の支給を停止・返還する法改正が必要である(与野党が法案検討中)。

このIR汚職事件は、起訴内容によると、秋元被告がIRを担当する副大臣だった平成29〜30年に、中国企業側(500ドットコム元顧問)から講演料名目で200万円、陣中見舞い名目で現金300万円を受け取ったほか、中国本社への視察旅行や北海道旅行の費用計約260万円を負担してもらう等、約760万円相当の賄賂を受け取ったという容疑で逮捕されたものある。

また、秋元被告と共謀して贈賄側2人(紺野、仲里)に、多額の報酬を示し、裁判で嘘の証言をするよう持ちかけたとして支援者ら計4人が組織犯罪処罰法違反(証人等買収罪)に問われた事件である。

公判で秋元被告は、「事件は検察が作り上げたフィクションだ」とか「起訴された全ての事件は無罪です」と身の潔白を訴えたという。

だが、頼まれたという者たちが「秋元議員に頼まれた」と証言しているので、裁判的には完璧に負けるだろう。この証言を翻せば、判決がどちらに転ぶかわからないところもあるが、現状では先ず無理である。

 


悪徳商法の人脈

それよりも波紋を呼んでいるのは、証人等買収罪に問われた4人の中に淡路明人と佐藤文彦という人物がいたことである。

佐藤文彦は、弊紙で過去に糾弾していたデート商法の準主役であり、現役の自衛隊員をそそのかして隊員名簿を入手して流出させ、逮捕された過去がある。またスルガ銀行の行員と組んで、安い不動産を高くローンを組んで売り、大儲けした男である。

当時、弊紙はスルガ銀行の頭取にまで手紙を出して実情を教えてあげたのに、目先の金儲けや実績を上げるのに狂ってしまって忠告を聞き入れず、最後は岡野一族の崩壊に繋がってしまったのである。

また淡路明人は、札幌市の「48(よつば)ホールディングス」という会社の代表取締役だった人物である。この48ホールディングスは、平成27年12月頃から「クローバーコイン」と称する独自の暗号資産(仮想通貨)をマルチ商法の手口で販売していた。

購入額の20%をリップル(当時注目されていた仮想通貨)でプレゼントするとか、誰かに紹介して購入させれば購入額の60%を報酬として受け取れるという高配当を謳い話題に成っていた。取締役で副社長という中田義弘は、日本にビットコインを持ち込んだ人物という触込みで宣伝活動に一翼を担っていたようだ。

しかし、平成29年9月に運営会社の札幌本社に、国税庁および消費者庁の強制捜査が入り、同年10月には消費者庁から特定商取引法違反で取引停止命令を受けている。その直前に突如クローバーコインの販売を終了し、休眠状態である。

金融機関から口座も凍結されて、取引停止命令の時点で会員数は3万5千人にも登り、被害額は192億円を超えていると言われている。 これまでに多くの被害者が返金を求め「詐欺ではないか」と騒がれてきた問題会社である。

因みに佐藤文彦も48ホールディングスの取締役として名を連ねていたのである。


脇の甘い政治家

被害が拡大した要因は、淡路明人が政治家を利用するのが上手かったからであるようだ。

一番利用されたのが、安倍晋三前首相と昭恵夫人のようである。また官房長官時代の菅義偉首相もその一人である。

平成28年4月には、安倍首相(当時)主催の「桜を見る会」や後援会主催の前夜祭に淡路明人が出席している。各界で功績のあった人や功労者が招かれるという「桜を見る会」でのツーショット写真は、淡路明人にとって大いに役立ったことだろう。

昭恵夫人が運営会社の取締役を務める宿泊施設「UZU(ウズ)ハウス」に淡路明人が資金提供していたことも話題になった。何れも国会で野党議員が追及しており、周知の事実である。

淡路明人を秋元被告に紹介した人物として、平沢勝栄現復興大臣の名前も取り沙汰されもした。

(二面へ続く)



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