敬天千里眼追及ニチロ冷凍食品詐欺完結

 本紙が2月より追及していた、マグロ缶詰がトレードマークのあけぼのブランド「冷凍食品大手ニチロ」から詐欺容疑で逮捕者が3人出た。
 逮捕されたのは、本紙が追及していた通り、元冷蔵庫所長らが、豚肉の架空取引話で取引先から金を騙し取ったとして、警視庁捜査二課などは十二日、詐欺の疑いで、同社の元冷蔵事業部団地冷蔵庫所長ら三人を逮捕した。一番の容疑は本紙追及の九千万円パクリだったが、二課は他にも同様の手口で複数の取引先から総額五億円余を詐取したとみているそうだ。

 肩書きがニチロ団地冷蔵庫所長という、倉庫作業の為に生れたような堺容疑者らは、商品の豚肉がないのに約二百三十トン保管しているように装い、茨城県内の食料品販売会社から販売代金として九千万円をだまし取った疑い。

 ここは、本紙敬天千里眼に掲載した、2月12日発送の、
『潟jチロ代表取締役社長田中龍彦宛の貴社事業に関する取材申し入れ¥早x
にて既報の通りだが、
冷凍食品にはよくある「預託所有権売買」を悪用したものだった。

 簡単に言うと、冷凍食品は製造・輸入され、倉庫に一旦保管されると(イチイチ移動させず)最終買受人のコンビニやスーパーが引き取りに来るまで倉庫にずっと眠ったままになる。で、中間の商社や仲買人等は、今回の場合ならニチロが団地冷蔵庫の中に豚肉をちゃんと預託保管していることを前提として、新たな買受人に、現物は渡さずに「預託『所有権』売買」のみによって売買される。冷凍食品はとにかく重いし、チョロチョロ移動させてるうちに溶けちゃって「冷凍食品じゃなくな」ってしまい無価値になってしまうから。だから、現物は置いといて、所有権だけを売買させるのだ。

 ニチロ団地冷蔵庫所長達は、豚肉の所有が食料品販売会社に移ったとする虚偽の名義変更通知書などを食料品販売会社に送り、信じ込ませたという。どう考えても、すぐにばれそうで、いいわけのきかなそうな、しょうもない詐欺罪だが借金やエグイ追い込みでも喰らっていたのだろうか?一般に馴染みのない「預託『所有権』売買」というシステムを使って詐欺を働くなら、もっと綿密な計画を立てて幾らでも逃げ道を作れたようなもんだが。
 ま、これがニチロ社員風情が考えうる最高の犯罪計画だったのだろう。頭が悪い。ニチロも頭が悪いのだが、五億以上も架空売買話で取引先に損害賠償や告訴されるまで、ニチロ団地冷蔵庫所長達の犯行が分らなかったり、冷蔵庫所長は解雇させたが、他に上手い救済方法を考えられなかったりで、会社ぐるみで隠蔽した割には傷口を大きく広げて塩を塗ってしまった形になった。

 本紙が大手マスコミに先駆け指摘し続けたとおり、ニチロは有りもしない商品在庫をでっち上げ、保管料を徴収したり、ありもしない架空の商品を平気で「あります」と言い切って、取引先から金を騙し取る会社だ。こういう会社は、この手の事件、氷山の一角でしかない筈だ。この記事のタイトルは「ニチロ冷凍食品詐欺完結≠ニしたが、まだまだありそうなもの。この際、二課の方々にはニチロを潰すくらいの勢いで綿密な捜査をし、(二課としては業務外だが)消費者の食の安全を守る役割も果たして頂きたい。