2008/03/25
3月21日、ユニテックス(大阪市中央区)の桜井治代表(大阪市吹田市江坂町5−7−4)が「商品取引受託業務廃止公告」を発した。 先物業者が商品市場での取引廃止を宣言したことは、即ち会社廃業を意味するものである。同社は昨年9月、農水省から業務停止(8営業日)の行政処分を受けている。顧客との紛争がひん発した上に、取引事故の事実を役職員が組織的に隠蔽し、虚偽報告までしていたことが主な処分理由である。この程度の悪事は、大方の先物業者にとっては通常業務の範囲内で、同社にしても処分対象となったことに「運が悪かった」位としか受け止めていないであろう。
そもそも、顧客の財産を根こそぎ剥ぎ取るのが先物業者の本分である。同社は正にそれを実践し不当利益を得てきたのだが、処分後も一向に改善されない腐敗体質に、主務官庁が近々にも大鉈を振るうとの噂もあって、冒頭の自主廃業を選択した模様である。
同社が商品市場から自ら撤退することは喜ばしいことだが、廃業によって表面化していない悪事までもが消滅するものではない。数年前から同社のオーナー兼会長となり、同社を支配してきた伊藤進(東京都杉並区上高井戸1−32−57)には、廃業時に持株配分として12億円が支払われるとされている。無論、顧客から剥ぎ取った財産がその原資である。「逃げ得は許さない」という同社顧客が、支店(中央区京橋)がある銀座通りに大挙して押し寄せる様が目に浮かぶ。